不動産取引ガイド

地下車庫付の中古物件を購入する際の注意点

坂の多い戸建ての住宅街では、車庫が地下にあることが多いです。
このような地下車庫付の中古戸建の購入を検討する際には、注意が必要です。

このような物件を検討するにあたって、まず問題となるのが、車庫の強度の問題です。
古い物件の場合は、建築確認を取得せずに地下車庫を設置しているケースもあります。たとえ建築確認を取得していても「完成から数十年も経過している地下車庫」の強度は少々疑わしいものがありますので、購入に際しては車庫の壁面や天井にひび割れなどがないかを確認しておくと同時に、設計士等の専門家からも意見を聞いておいた方がいいです。

また将来的に建物の建て替えを行う際には、ハウスメーカーから古い地下車庫の上に建物を建築することを拒否されることも珍しくありません。

ハウスメーカーは地下車庫に建物の加重が掛かることで、後々問題が生じるのを嫌がるのでリスク回避の視点からもお断りされるケースがあります。

よって、古い地下車庫がついた中古戸建を購入するのであれば、建て替え時には地下車庫を造り直すことを前提に購入の判断をするべきです。

駐車場が擁壁の一部になっていれば、建て替えの時に擁壁の作り直し等発生すれば、数百万単位以上の多額の金額が発生する可能性があります。建物を建築する際、地耐力、基礎のコスト、所轄官庁から擁壁の回収、補修などの指導を受ける場合もあります。

その他、専門家に依頼することで調査にもコストがかかることから、十分に注意して購入する必要があります。

迷ったら、自ら判断せずに専門家にアドバイスを受けた上で、購入の判断されることをお勧めします。

以上、エージェント中田でした。

家を買うために適した良い土地の地盤の選び方前のページ

自宅(不動産)を買う前に「想定外」の離婚に備える?!次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. お金・ローン・税金

    省エネ住宅エコポイント対象のリフォーム内容のお知らせ

    リニュアル仲介の渡辺です。1月19日に行われた省エネ住宅エコポ…

  2. 不動産取引ガイド

    Google Home(グーグルホーム)やAmazon Echo(アマゾンエコー)が発売され、AI時…

    少し前にGoogle Home(グーグルホーム)というAI(人工知能)…

  3. 不動産取引ガイド

    あなたの町の水道危険度が!?

    全国各地で進む水道管の老朽化と、相次ぐ破裂事故など…

  4. 不動産取引ガイド

    東京都ソーラーパネル義務化

    先日、ニュースで2025年4月以降、東京都の新築戸建て住宅の販売価格が…

  5. 不動産取引ガイド

    赤字ローカル線に廃線圧力 その地域の不動産の資産価値は・・・

    現在、人口減少社会を迎え、赤字ローカル線に廃線圧力が強まっています。J…

  6. 不動産取引ガイド

    日本経済の成長率が与える不動産市況について!

    日本銀行が15日の金融政策決定会合で、2015年度の実質経済成長率の見…

  1. 不動産取引ガイド

    リフォームを「工事」と捉えるか「製品」と捉えるか
  2. 不動産取引ガイド

    不動産を「差押え」られてしまったら?
  3. 契約関係

    共有状態の不動産を分割する方法
  4. 不動産取引ガイド

    実際に住んで感じた旗竿地のメリットとデメリット
  5. 不動産取引ガイド

    11年経っての教訓
PAGE TOP