不動産取引ガイド

マンションの選び方

マンション選びで失敗したくない。
住宅購入を検討される方は誰しもそう願うはずです。
株式や為替などに比べると値動きは緩やかですが、マンション価格は変動するので、なるべく購入時から価格の下がりにくい物件を選びたいものです。
今回は初めて住宅購入される方向けにマンションの選び方についてご説明いたします。

物件広告ありきの住宅購入はやめましょう

いざ家を買おうと思った時、ほとんどの方は不動産ポータルサイトなどで物件広告を探します。
いきなり不動産広告に飛びつくのは失敗する家選びの大きな要因となります。
マンションの場合、お部屋の状態(専有部)にどうしても気が向いてしまいがちですが、資産価値に影響するのは建物全体です。
どれだけ豪華なリフォームを実施しているお部屋でも、管理がボロボロ、修繕計画が杜撰、最寄駅からものすごく遠い、などそのマンションそのものに問題がある物件を購入してしまうと、いざ売ろうとする時に買い手がつかないという状況に陥ります。
ポータルサイトの物件広告を見てしまうと、好みの物件が見つかったら見てみたくなるのが心情です。
人気物件ほどさっさと決まってしまうので、十分な検討をしないまま勢いで購入してしまうのが失敗する家選びの要因です。

はじめに行うのは住宅ローンの事前審査

マンションに限らず住宅購入でまず初めにやるべきことは住宅ローンの事前審査です。
借り入れできる上限額を把握することはもちろんですが、無理なく返済できる月々の返済額からおおよその購入予算を算出することも大切です。
マンションの場合はローンの返済以外に修繕積立金と管理費の支払いがありますので、月々のキャッシュフローを検討する際には忘れずに考慮しましょう。
ここ最近は都市部でマンション価格が高騰しているので、ご夫婦の収入を合わせて購入検討される方も多いと思います。
ご夫婦でローンを組む場合は、どちらか片方が支払えなくなった場合を想定して、購入予算を決める必要があります。
ご夫婦の収入を合わせて限界まで住宅ローンを組むというのは大きな失敗の原因となりますので、まずはきちんと資金計画を組みましょう。

予算が決まったらエリアを検討する

物件探しが上手くいかない原因は購入予算とエリアの相場がマッチしていないことが原因です。
新宿駅徒歩圏内、3LDK、70m2以上、2000万円以下というような条件を設定しても、そんな物件はいつまでたっても出てこないのです。
いやいやそれは極端でしょう?と思われるかもしれませんが、ありもしない条件に捉われて幻の物件を求めて不動産会社を渡り歩く「不動産ジプシー」は、不動産会社からすると”住宅購入初心者あるある”です。
エリアの相場観を知る簡単な方法があります。
弊社が提供している物件提案ロボを利用する方法です。
物件提案ロボは指定した条件に合致する物件情報をメールでお届けする仕組みです。
条件設定時や変更時には過去2週間の物件情報の中から合致するものが配信されます。
皆さんが思われている条件を設定してみて、「そこそこ物件数がある」「築年が古い物件ばかりでない」のであれば、そのエリアの相場観と大きなズレはないことが確認できます。
設定した条件で物件情報がない場合は条件を見直します。
広さや金額は変えられないので、最寄駅やエリアを変更して、十分な数の物件情報が得られるまで条件変更を繰り返します。
簡単な方法なのでぜひお試しください。

<物件提案ロボを使ってみる>
https://self-in.com/rchukai2/robo

エリアが絞られたら全国マンションデータベースを利用しましょう

全国マンションデータベースは全国の分譲マンションの95%以上を網羅した、マンションの資産価値に関する情報が満載のデータベースです。
SelFin・物件提案ロボにご登録された方であれば無料でご利用いただけます。
全国マンションデータベースには過去の販売履歴と周辺相場に関する情報があります。
個別のマンションを検索するのは手間なので、検討エリアを表示して(駅単位でも一覧が出せます)一覧を総戸数が多い順にソートして、上から見ていくのがお勧めの使い方です。
マンション偏差値やクチコミなど気になる情報もあるのですが、まずは過去の販売履歴を見て、設定された予算と大きなズレがないか確認しましょう。

<全国マンションデータベースを使ってみる>
https://self-in.com/rchukai2/mdb

予算にあったマンションが見つかったら、各マンションページ上部にある「購入希望登録する」ボタンで、検討マンションを登録しましょう。
こうすることで、検討マンションで新着物件が出たらメールで直ぐに情報を見ることができるようになります。

総戸数が多いマンションを選ぶのがベターです

全国マンションデータベースを利用しているとわかるのですが、総戸数の多いマンションは過去の販売履歴件数が多く、総戸数が少ないマンションに比べて活発に取引されていることがわかります。
販売履歴の多いマンションは価格の判断材料も多いので、それだけ「売りやすい」「買いやすい」のです。
もちろん総戸数だけが流動性を決める要素ではないのですが、マンションを検討される場合はなるべく総戸数が多い物件を選択するのが良いでしょう。

旧耐震リノベーション物件に要注意

このブログでも何度となくご説明していますが、旧耐震マンションはお勧めできません。
住宅ローン減税などの住宅取得支援制度が利用できないだけでなく、建物性能に問題を抱えているリスクが高いからです。
※東日本大震災でも旧耐震マンションの被害が報告されています。
冒頭に物件広告をはじめに見るのはやめましょう、と記載しましたが、建物が旧耐震であっても、専有部分を綺麗にリフォームしている物件はたくさんあり、一見すると旧耐震の方が安くて綺麗と思ってしまいがちです。
特にリノベーション済み物件は綺麗に撮影されている物件や、一風変わったデザインの物件などがあり、”良さそう”に見えてしまうのです。
旧耐震マンションの購入は、不動産取引のプロでも判断しにくい「難しい取引」です。
旧耐震マンションが周辺相場より安いのは当たり前です。
買う時よりも「売れる時に売ることができるか」が問われるのが旧耐震マンションです。
決して初めて住宅購入する方に向いている物件とは言えないので、当初から検討から外しておくのが良いと思います。

今回は物件提案ロボと全国マンションデータベースをご紹介しました。
どちらも住宅購入をご検討されている方にとって便利なツールなのでぜひご活用ください。

アスベスト(石綿)含有の事前調査の義務化とその影響前のページ

「こどもみらい住宅支援事業」という補助事業をご存知ですか?(新築分譲住宅購入編)次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 土地価格の相場を知る方法
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    売主が外国人の場合の不動産売買

    最近では、購入しようと思った物件の所有者が外国人だった、というケースも…

  2. 不動産取引ガイド

    クロス(壁紙)を変えるだけで室内空間がガラリと変わります!

    「クロス」とは家やオフィスの壁に張る”壁紙”のことです。建築用…

  3. 不動産取引ガイド

    内陸型地震を引き起こす活断層

    首都圏では様々なタイプの地震の発生が予想されています。首都圏で…

  4. 不動産取引ガイド

    「新耐震」と「旧耐震」の境目の話

    ものすごく限られた範囲の話で、ほとんどの人が関係しない、そんな話題です…

  5. 不動産取引ガイド

    建設業の2024年問題が新築住宅に与える影響

    2024年問題によって建設業も建築価格が高騰し住宅購入の負担が増加する…

  6. 不動産取引ガイド

    令和5年度住宅取得者向け住宅ローン減税申告ガイド

    令和5年度に住宅を取得されたお客様への住宅ローン減税申告に関するご案内…

  1. 不動産取引ガイド

    【厳しい冬に不慣れな方へ】今シーズンは給湯器の故障に要注意です!
  2. 不動産取引ガイド

    防災の基本は最悪の想定から
  3. 不動産取引ガイド

    住宅ローンで「変動型」を選択される方の注意事項!
  4. 不動産取引ガイド

    <コロナ禍の住宅購入> 住宅購入前に「家計費の見直し」を検討する?!
  5. お金・ローン・税金

    2022年5月 フラット35金利のご案内
PAGE TOP