不動産取引ガイド

誰だって間違える

不動産登記簿を見ていると、たまに「更正」という文字が記載されていることがあります。

一方で「職権更正」という記載もありました。

この違いは何でしょうか。

申請者の間違いによる「更正」

まず「更正」ですが、これは登記を申請した人間のミスになります。

自分で申請した場合も、専門家に依頼した場合も同じく、申請書に記載された情報が間違っており、そのまま登記がされてしまい、後日その間違いが発覚したケースです。

申請書に誤った住所を記載してしまった、名前の漢字を間違えてしまった(例:「渡邊」と「渡邉」)、日付を間違えてしまった、などのケースです。

大抵のケースでは、添付した書類との整合性がとれず、登記がストップされるのですが、場合によってはそのまま記録されて登記が出来上がってしまうケースもあります。

この場合には、改めて「更正」の申請書を提出して、正しい情報に書き換える必要があります。

法務局の登記官の間違いによる「職権更正」

一方で、申請した人間の間違いではなく、登記記録を入力した登記官の間違いによる場合もあります。

申請書には正しい情報が記載されていたのに、登記官が見落とした場合などです。

また、以前の古い簿冊の登記簿から、現在のコンピュータ情報へ打ち直す際に、登記官が誤って入力してしまっている場合もあります。

この場合には、登記官が「職権」により更正登記を行います。

どちらも、更正により正しい情報へ書き換えることが可能ですが、登記記録上は「更正」や「職権更正」といった記録が生じてしまい、間違いが起こったことが明示されてしまいます。

実害がないとはいえ、できればそのようなミスがない登記簿が好ましいでしょうか。

普段は細かく見ない不動産の登記簿ですが、中には重要な情報やリスクに関する記載がある場合もあります。

購入を検討する物件に気になる点がある場合には、信頼できる不動産エージェントに相談してみましょう。

大雨の時期だからこそ見直したい 住宅購入検討時のハザードマップの重要性前のページ

2022年8月 フラット35金利のご案内次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 土地価格の相場を知る方法
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 危険な場所は 地形図で見分ける
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    物件探しの前に街選びを楽しみましょう

    多くの方にとって家を買うというのは人生で何度も発生するライフイベントで…

  2. 不動産取引ガイド

    椅子にすわってなにをする!

    人は何かをする為に座ります。建築家で家具のデザイナーでもあるコルビ…

  3. 不動産取引ガイド

    日本の将来に影響を及ぼす老朽化するインフラ 不動産購入前に把握をしておいて欲しいこと

    〇不動産購入前に前面道路の埋設管(水道管等)について調べましょう。…

  4. 不動産取引ガイド

    台風と大雨の災害に備える

    今年も台風シーズンがやってまいりました。台風の影響による大雨は、毎年各…

  5. 不動産取引ガイド

    どうする人口減問題?!日本は移民を受け入れられるのか?

    5月5日がこどもの日ということもあり、毎年この時期は出生数とか人口動態…

  6. 不動産取引ガイド

    4人家族にちょうどいい住まいの広さ ~理想の広さと最低限必要な広さ~

    お住い探しをする場合には、予算、エリア、築年数など様々な希望条件がある…

  1. お金・ローン・税金

    金利が0.1%上がると、総返済額はいくら上がると思いますか?
  2. 不動産取引ガイド

    住所と所在地はどう違うの?
  3. 不動産取引ガイド

    家の中に危険がいっぱい! (高齢者編)
  4. 不動産取引ガイド

    私道として利用される宅地の相続税評価について
  5. お金・ローン・税金

    住宅ローン控除を理解しておきましょう。
PAGE TOP