不動産取引ガイド

人の移動の時期とかなり、不動産の買い替えが増えています!

転勤や子供の進学等で家の買い替えを検討する方が増える時期となります。また、2020年以降はテレワークの定着により、マンションから戸建て住宅、戸建て住宅から戸建て住宅への買い替え等、今までよりも暮らしやすい環境を求めて、住み替えを行う方も増えています。しかし、家の買い替えは、高額な取引となる売却と購入を同時並行に行わなければならないため、ある程度の流れを把握した上で動いていただく事をお勧めします。また、買い替えたくても家が売れないのではと不安に思っている方もいます。そこで今回は「不動産の買い替え」について、解説をしたいと思います。

■不動産の買い替えは、築20年以内に行う?!

家を買い替えるのであれば、築20年以内に家を売ることがお勧めです。中古住宅は、戸建て住宅もマンションも築20年以内の物件に人気があるからです。そのため、築20年以内の物件だと比較的高く売ることができます。また戸建てもマンションも築20年を境に値引き率が上昇すると言われており、築20年以上の物件を安値で出して、更に値引きが入ると、不動産の取引ベースでは少し残念な取引となります。

中古住宅は、戸建てでは築20年超、マンションでは築25年超を超えると、原則として買主が住宅ローン控除を利用できなくなります。現在の家をご自身で購入された方はご存知だと思いますが、住宅ローン控除とは返済期間が10年以上のローンを組んで住宅を購入した際、自分がその住宅に住むことになった年から一定期間に渡り、所定の額が所得税から控除できる制度のことです。住宅ローン控除を利用できない物件は、買主が節税できないため、需要が下がる原因となっています。つまり買主を見つけやすくするなら、買主が住宅ローン減税を利用できる築年数の物件で売却活動を始めることが重要です。

■不動産の繁忙期である2月、3月、4月を狙って売却活動をする?!

中古住宅は、2~4月の人の移動の時期を狙って売ると売却しやすくなります。また8月が最も人が動きにくく、引っ越し件数も低くなります。売却には3ヶ月程度の時間を予測して動かれる方が多いため、12月頃からスタートすると2~3月に向けて順調に売却できるようになります。勿論、3月に売りに出して、検討している方も多いため、相場価格で出していれば、早期売却につながり易い時期となります。買い替えは、売却と購入のスケジュール調整が重要になってくるため、もしタイミングを合わせられるようであれば2~3月を狙って売ることがお勧めです。

■不動産の買い替えの流れについて

家の買い替えには、売却を先に行う「売り先行」と、購入を先に行う「買い先行」の2種類の順序があります。特徴としては、売り先行は経済的な負担は楽になりますが、タイミング調整が難しいという特徴があります。一方で、買い先行は売却と購入の手続きは進めやすいですが、ダブルローンが発生し経済的な負担が重いという点が特徴です。そのため、売却物件に住宅ローンが残っている人は、一般的に経済的負担が楽な「売り先行」を選択する人が多いです。
なぜならば「買い先行」では、売却物件に住宅ローンが残っていると、購入物件と売却物件でダブルローンが発生するという大きなデメリットがあります。そのため、売物件が住宅ローンの返済中であれば、売り先行を選択することが基本です。買い先行を選択しても良い人は、例えば売却物件の住宅ローンが完済している、またはダブルローンに耐えられる等の人が向いています。

■実は売り先行で「買い替え特約」を利用する方が賢い?!

売り先行を成功させるコツとして、買い替え特約を利用することもポイントです。買い替え特約とは、買い替えを行う人が、自分の家が期限までに売却できなかった場合に、買主の立場として購入物件の売買契約を解除できるという特約になります。家の買い替えは、「売却物件の売買契約書」と「購入物件の売買契約書」が登場しますが、買い替え特約は「購入物件の売買契約書」に盛り込む特約条項です。買い替え特約によって売却ができれば購入もできるようになるため、売却と購入のタイミングを合わせられる確率が格段に上がります。また、買い替え特約を利用できれば、実質的に「買い先行」と同じ進め方になるため、購入も売却も進めやすくなるという点がメリットです。売り先行を成功させるコツとして、つなぎ融資を利用するという方法もあります。つなぎ融資とは、購入物件の代金支払いが売却物件の代金の入金よりも先になってしまったときに、一時的な資金不足を解消するためのローンです。また、家の買い替えに必要な費用、買い替え時の税金等を把握して、賢い「買い替え」手続きを進めていただきたいと思います。ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。

法人営業部 犬木 裕

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