不動産取引ガイド

照明の光色の影響と適正設置

照明は快適な家について考えるときにとても重要な要素です。
照明は見るために照らすことだけが役割だと思われがちですが、実は人の生活リズムに関わる重要な役割を担っています。
家にいてもあまりリラックスできないとか気分が落ち込む・よく眠れないなどの体の不調は照明が原因かもしれません。
家族みんなの健康のために、家の照明について調べてみました。

■良い睡眠をとるには

質の良い睡眠には、睡眠を整えるホルモンが上手に働いてくれることが必要です。
睡眠を整えるホルモンには、自律神経(身体を活発に動かす神経)の活性や心の安定に作用する「セロトニン」と、深い眠りを促す「メラトニン」の2種類があります。
これらのホルモンには”光”が大きな影響を与えています。

生物は約1日(24〜25時間)ごとの周期で繰り返される体内時計を持っており、そのリズムを概日リズムと言います。
一定の時刻がくると自然に眠くなり、一定時間眠ると自然に目が覚めるという睡眠-覚醒のサイクルが代表的で、その他ホルモン分泌、体温、血圧など体調を維持する機能に密接に関わっており、
このリズムが壊されると健康に悪影響を及ぼします。

このリズムのスイッチになっているのが”光”です。

まず朝日を浴びることでメラトニンの分泌が止まり、スッキリと目覚めます。
そしてセロトニンの分泌が活性化され、気持ちが明るくなり、日中活動的に動けるようになります。
夕方、日が沈むと、日中抑制されていたメラトニンが出て眠りへの準備が始まります。

このように、”光”は体内リズムを正常に保つのに重要な役割を担っています。
適切な時間に、適切な光を浴びていない日が長く続くと、睡眠障害、日中活動的に動けない、気分が沈みやすくなるなど、身体だけでなく精神面にも悪影響が及ぶことがあります。

特に家の中で多くの時間を過ごすことが多い高齢者などは、自然光の取り入れ方や、照明を工夫しないと身体の不調が慢性的になってしまうおそれがあります。

■照明の調整

朝や昼間は白い照明、夜はオレンジの明かりが良いとされています。
光には、照度(明るさ)と色温度(色味)があり、これらのバランスでさまざまな表情を見せます。

照度は明るさのことで、ルクス(lux、lx)という単位が用いられます。
一般的な住宅の室内は100~1,000ルクスといわれています。

色温度は色合いのことで、ケルビン(k)という単位が用いられます。
高いほど光の色は青白く、低いとオレンジなど暖色系の色になります。
一般的にリラックス効果が高いのは、照度、色温度ともに低い明かりです。

電球の種類によって異なる色が出る理由は、色温度が異なるためです。
色温度とは、光源(自然光・太陽光・照明器具など)から出る光の色を表す単位であり、光源そのものの温度や明るさとは別ものです。
単位は、K(ケルビン)で表し、テレビやパソコンで使われるディスプレイの色を正確に表現するのに使われています。

色温度の変化による色味の変化は、以下のように太陽の色を見ると理解しやすいでしょう。

・朝日・夕日…およそ2,000Kから3,000K
・日中(太陽光)…およそ5,000Kから6,000K
・晴天時の正午…およそ6,500K

朝日や夕日は、日中に比べ太陽の色が赤くなっていることから、色味の変化によって色温度も大きく変わるのがひと目で分かります。

人工照明のケルビン(k)

・ろうそく(オレンジ色)…およそ2,000K
・蛍光ランプ(電球色)…およそ2,800Kから3,000K(設置場所:寝室などリラックスしたい場所・料理を美味しく見せる効果もあり、食卓やリビング・ダイニングの間接照明)
・蛍光ランプ(昼白色)…およそ5,000K(設置場所:どの部屋でも適用)
・蛍光ランプ(昼光色)…およそ6,500K(設置場所:集中力を高めたい学校・勉強部屋・オフィス・仕事部屋・読書スペース)

■朝や日中

朝や昼間はカーテンを開けて太陽の光を浴びるようにしましょう。
日中の太陽光に含まれるブルーライトを浴びることで、覚醒のスイッチが入ります。
そして、精神を安定させるために不可欠なセロトニンの分泌が活発になります。
朝、2,500ルクス以上の光を浴びると体内時計がリセットされるといわれています。
太陽光の照度はとても高く、5万~10万ルクス程度。
曇っていても屋外なら1万ルクス程度あるので、まずは窓を開けて自然光を取り入れましょう。

日照時間が短い時期や、曇天の日はカーテンを開けた上で、室内の照明を追加しましょう。
昼間は活動的に動きたい時間帯なので、照明は明るい白色の光がいいそうです。

■夜

夜はやさしい光を浴びましょう。
日没頃の外光に近いのは電球色と呼ばれるオレンジ色の光です。
少なくとも就寝1~2時間前は暗めのオレンジ色の光で過ごせると良いそうです。
そして、スマートフォンやテレビ、パソコンなどからのブルーライトを極力浴びないようにしましょう。
夜も明るい光に囲まれた生活を送っていると、なかなか寝付けず、睡眠の質が下がってしまいます。

夜は寝室、そしてできるならリビングやダイニングもオレンジ色のやさしい光の中で過ごせるとリラックスできます。
食卓を照らす照明には、電球色がおすすめです。
オレンジ色の光は、赤系の色を美しく見せる効果があり、料理がおいしそうに見え、さらに席に着く人の顔色もよく見えます。

トイレや浴室の照明は、排泄物のチェックや掃除、仕事前のシャワータイムであれば明るめの白い光の方でもいいのですが、
ホッとひと息つくリラックスする場所、そして深夜にトイレに行くことを考えれば電球色の光がおすすめです。

■高齢者に配慮した明るさ

高齢者であっても、細かな作業以外の普通の生活においては、通常の明るさ(50~150ルクス)があれば特に問題はありません。

作業や読書などをするときに、手元を明るく照らすスタンドライトなどの局部照明を併用するのであれば、全体照明を特に明るくしなくても大丈夫です。
細かな作業をするときの照明は、若年者の2倍程度(300~3000ルクス)を目安にしましょう。

深夜、高齢者の多くは睡眠深度が浅く、トイレに通う回数も多いです。
その際、昼間の活動時間帯と同じ明るさにさらされると、光刺激によって覚醒してしまうことがあるので、あまりに明るい光は避けたいですね。
深夜、寝室から廊下、トイレに至るまでの導線上の明るさは、だいたい30ルクスあたりまでの光がいいようです。
※歩行のために1~10ルクス、トイレは10~20ルクス程度

門、通路、ポーチなどエクステリアの場所は、高齢者にとっては暗く、かつ危険性も高いので、若年者の3倍を目安に明るい照明を使用しましょう。(3~30ルクス)
特に明るい室内からの出口であるポーチや勝手口などは、20~30ルクス程度の十分な明るさが確保できるように配慮できるといいと思います。

■調光・調色機能付き照明

シーリングライトやダウンライトなどの主照明は、調光機能の付いている照明に交換するのがおすすめです。
シーリングライトは部屋全体を満遍なく照らせる便利な照明ですが、
高齢者だけに照度を合わせてしまうと、他の人が眩しすぎるというデメリットがあります。
利用する人や時間帯に合わせて照度・色温度を調節できる照明は、家族みんなが快適な生活をするのにピッタリの照明です。
光量を弱くして他の照明と組み合わせるなど、上手に利用するといいようです。

リニュアル仲介、渡辺でした。

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