不動産取引ガイド

マンション管理費・修繕積立金の値上げ問題が深刻化

2024年から2026年にかけて、日本では食料品や電気料金の値上げが続き、家計への影響が長期化しています。
賃上げも徐々に進んでいますが、物価上昇に追いついていない世帯も多く、生活防衛の必要性が高まっています。
こうした中、マンション所有者にとって見過ごせないのが、管理費や修繕積立金の値上げ問題です。
これらもまた、物価高騰の影響を免れることはできません。

■物価高がマンション運営を直撃

世界的なインフレと円安の影響により、建築資材や設備機器の価格が高騰しています。
さらに、建設業界の深刻な人手不足も相まって、マンション管理会社や修繕工事を請け負う建築会社は、従来の価格では事業継続が困難な状況に追い込まれています。
2025年には、国土交通省が「マンション管理適正化推進計画」を改定し、管理組合の財政状況の透明化を促進する方針を打ち出しました。
これは、全国的に管理費・修繕積立金の不足問題が顕在化していることの表れと言えるでしょう。

■マンション住民の合意形成の壁

マンションは区分所有者の共有財産であり、管理費や修繕積立金の変更には住民の合意が必要です。
ここに大きな課題があります。大企業に勤務し賃上げの恩恵を受けている世帯であれば、値上げもやむを得ないと判断できるかもしれません。
しかし、賃金が上がっていない世帯や、年金生活の高齢者世帯にとっては、他の生活費上昇もあり、理屈では理解できても簡単には同意できない状況です。
管理費の値上げが実現しなければ、管理会社はサービスの質を下げざるを得ません。
清掃回数の削減、設備点検の簡素化など、目に見える形でマンションの管理水準が低下します。
これは住環境の悪化だけでなく、マンション全体の資産価値低下にも直結する深刻な問題ですが、それでも家計を優先せざるを得ない住民が反対に回るケースが増えています。

■マンションにもよりますが、より深刻な修繕積立金不足

管理費以上に深刻なのが修繕積立金の問題です。
修繕積立金は長期修繕計画に基づいて毎月積み立てるものですが、昨今の建築費高騰により、当初計画よりも大幅に費用が増加するケースが続出しています。
積立金だけでは工事費用を賄えず、住民から臨時徴収するか、管理組合が金融機関から借り入れを行う必要が生じます。
しかし、臨時徴収は一時的に数十万円から百万円単位の負担となるため、反対する住民も多くいます。
借り入れは問題の先送りに過ぎず、将来的な修繕積立金の大幅値上げが避けられません。
そもそも、新築分譲時に販売しやすくするため、当初の修繕積立金を意図的に低く設定し、段階的に引き上げる計画を立てているマンションも少なくありません。
国土交通省の調査でも、築年数が経過するほど修繕積立金不足に陥るマンションの割合が高まることが指摘されています。

■マンション選びでチェックすべきポイント

購入検討時には、管理費・修繕積立金が「安すぎないか」を確認することが重要です。
安すぎる設定は、将来の大幅値上げリスクを意味します。国土交通省が公表している「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、専有面積あたりの目安金額が示されています。
物件ごとに平米数を掛けて計算する必要がありますが、SelFin(セルフィン)などのWEBツールを活用すれば、物件情報を入力するだけで国の想定値と比較できます。
Chrome拡張機能を使えば、ポータルサイト閲覧中に自動判定が表示され、非常に便利です。マンション購入は人生最大の買い物の一つです。
月々のローン返済だけでなく、管理費・修繕積立金の妥当性も含めて、長期的な視点で検討することが、将来の生活の安定につながります。

無料のSelFin(セルフィン)というWEBツール
https://self-in.com/

ぜひ、今後の参考にお役立てください。

法人営業部 犬木 裕

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