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10人に1人が相続税の課税対象 過少申告疑いで税務調査!

相続税の課税対象となるケースが増えています。
不動産や金融資産の価値が上昇していることから、都市部では「富裕層」でなくても相続税の対象になる可能性があります。
想定していなかった相続税申告を急いで手掛けることになれば、申告漏れなどで税務調査の対象になるリスクも高まります。
残される家族の負担を軽減するためにも、生前の対策が重要になります。
税務署から『相続についてのお尋ね』の書面が届いて、驚く方も多いようです。
そのような方の多くは、もっと資産が多い家族が対象だと思われています。

■相続税の課税対象になった被相続人の割合について

国税庁の調査では、2024年に相続税の課税対象になった被相続人の割合は死者全体の10.4%になりました。
課税割合と呼ばれ、10%を超えたのは初めてとなり、なかでも東京都は20%で全国水準を大きく上回ります。
土地などの資産価値の上昇に伴い、財産は自宅と預貯金のみの一般的な家族でも相続税の対象になる可能性が高まっています。
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例の適用を受けるには申告が必要ですが、申告したことで相続税がかからないケースは課税割合には含まれていません。
課税対象の増加に伴い、相続税の税務調査の件数も増えており、24事務年度(25年6月までの1年間)で、被相続人の自宅などを訪問する「実地調査」は9512件で前事務年度比11%増、電話や文書などで申告を是正する「簡易な接触」は2万1969件で同17%増だったようです。
相続税の税務調査は、相続税申告をしてから1〜3年後に来ることが多く、毎年7〜11月ごろがピークとなります。
一般には相続財産が3億円以上だと調査の対象になりやすいとされますが、基礎控除額を少し上回る遺産総額でも、申告内容次第で選ばれることもあります。

■税務署は申告に誤りがありそうなケースをどのように見極めているのか?!

税務署は被相続人の生前の給与額や事業所得、所有する不動産、預貯金、有価証券、貴金属といった高額資産の購入や売却などの情報を長年にわたり蓄積している。
その情報を基に被相続人の保有資産を推計し、申告内容と一致するか見ています。
推計と申告内容を照らし合わせた結果、過少申告が疑われる場合は調査対象になりやすく、申告漏れを防ぐには、生前の保有財産の洗い出しが重要となります。
国税庁が公開している『相続税の申告のためのチェックシート』を活用して保有財産をリストアップすると便利です。
紙の通帳がないネットバンクや、転勤時に作った地方銀行の口座なども忘れないようにしたいところだと言われます。
財産の洗い出しにあたっては、デジタル資産の把握も欠かせない視点となっています。
近年は暗号資産(仮想通貨)やネット証券の口座、電子マネーの残高なども相続財産に含まれるが、家族がその存在を知らないまま放置されるケースが少なくありません。
IDやパスワードが分からなければ、遺族がアクセスすることすら困難です。生前に「エンディングノート」などを活用し、デジタル資産の一覧と管理情報を家族が把握できる形で残しておくことが、申告漏れ防止だけでなく遺族の負担軽減にもつながります。

■相続財産に足し戻し忘れるのも過少申告となる?!

昔に申告した相続時精算課税を失念し、相続財産に足し戻し忘れるのも過少申告になります。
そもそも足し戻す必要があると知らない受贈者も多く、生前に確認しておくとミスを防ぐことになります。
死亡直前に多額の預貯金が引き出されているのも財産の隠蔽を疑われやすく、過去5〜10年分の主な資金の流れを把握し、使途を明らかにしたい。
リスト化が難しいなら通帳の金額の横にメモ書きをするのも有効となるようです。
使途を明確に説明できれば、調査で追及されても困ることはありません。
税務署は名義財産にも目を光らせているようです。
預金口座の名義は子などの相続人でも、資金の原資が被相続人なら相続財産として申告する必要があるためです。
名義預金と疑われないためには、名義人が預貯金を自ら管理して自由に使っている実態が必要です。
名義預金の問題は、祖父母が孫のためにと積み立てた教育資金でも起こるケースがあるようです。
口座の名義が孫であっても、通帳や印鑑を祖父母が管理し、孫本人が自由に使えない状態であれば、税務署から名義預金と認定されるリスクがあります。
対策としては、定期的に孫名義の口座から本人が引き出しを行い、実際に管理・使用している事実を積み重ねることが重要です。
また、生命保険の活用も相続対策として有効な手段の一つです。
死亡保険金は「500万円×法定相続人の数」が非課税枠として認められており、現金をそのまま残すよりも税負担を軽減できる場合があります。
ただし、契約者・被保険者・受取人の関係によって課税の種類(相続税・所得税・贈与税)が異なるため、契約内容の確認が不可欠です。

■生前贈与についても制度改正の影響を把握しておきたい!

2024年から相続財産への持ち戻し期間がそれまでの3年から7年に順次延長されました。
長期的な視野で計画的に贈与を行わなければ、節税効果が想定より小さくなる可能性があります。
税制は頻繁に改正されるため、税理士などの専門家に定期的に相談しながら対策を見直す姿勢が求められます。
相続は「備えあれば憂いなし」という言葉がそのまま当てはまる分野であり、元気なうちから家族全員で財産の全体像を共有しておくことが、最大の備えとなります。
ぜひ、今後の参考にお役立てください。

法人営業部 犬木 裕

 

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