不動産取引ガイド

メンテナンス費用高騰により、家の修繕の優先順位を決める!

「家を直せない」と、悩みを抱える人が増えているようです。
外壁塗装などのメンテナンス費用は過去5年で20%以上高くなり、標準的な戸建ての基礎修繕を続けるだけで50年の総額は1500万円近くになるとの試算もあります。
対策を早めに考えないと、ごく普通の住まいを維持することも難しくなりかねません。
外壁・屋根の塗装やデッキ修理などの見積もりをとったところ、約260万円と、15年ほど前に同じ工事を依頼した時の約1.5倍となっているケースもあるようです。

■総務省「消費者物価指数」によると住居の工事費用について

総務省「消費者物価指数」によると住居の外壁塗装、屋根修理、水道工事の費用水準は2020年に比べ軒並み23〜24%も上昇しています。
費用実額は住宅の規模などで差がありますが、標準的な戸建て住宅で、築15年前後で必要になる外壁や屋根の塗装は現在、150万円前後となります。
昨年比でも10万円程度高くなった例もあるもようです。
人件費と資材の両方が大幅に上がっており、建設業界は国勢調査によれば大工の人数が過去20年ほどで半減するなど構造的な人手不足となっています。
資材の値上がりも歯止めがかかっておりません。
また、輸入に頼る品目も多く、足元の円安傾向も上昇に拍車をかけています。
標準的な戸建て(延べ床116平方メートルの木造2階建て)に築後50年でかかる雨漏りやシロアリ対策、キッチンや浴室の交換など基礎的修繕の総費用を試算すると、約1475万円に上りました。
通常は各年均一ではなく、30年目に約900万円、45年目に約230万円など、一時期に集中して出費が増える可能性が高くあります。

■メンテナンス費用高騰により、「修繕貯蓄」を早期から計画的に

戸建てはマンションと異なり、通常は個人で修繕費を貯蓄する必要があります。
教育費負担が増える時期に修繕が重なると家計が行き詰まる恐れもあります。
修繕は一定周期で必要になる例が多いので、専門家に依頼して『いつ』『いくら』必要になるかを把握する事が必要となります。
特に注意が必要なのは、大規模修繕が集中しやすい築30年前後の時期です。
屋根・外壁の再塗装に加え、給排水管の交換、シロアリ予防の再施工など、複数の工事が同時期に重なりやすいです。
仮にそれぞれを個別に発注すれば、足場の設置費用が工事ごとに発生し、割高になるケースも多いです。
できる限り同じタイミングにまとめて発注することで、足場代などを節約できる可能性があります。
専門家への相談は、修繕の数年前から始めるのが理想です。
また、住宅ローンの返済が終わった後も修繕費の積み立てを継続することが重要です。
ローンが終わったから安心と支出をゆるめたとたん、大規模修繕の請求が来て慌てる事例は珍しくありません。
月2〜3万円程度でも早期から積み立てておくことが、将来の家計リスクを大きく下げる事につながります。

■メンテナンス費用高騰により、優先度の高い修繕に絞り込む!

年齢や家族構成などに応じ、優先度の高い修繕に絞り込む考え方も必要であると言われます。
自宅の1階と2階にあるトイレ修繕に際し、1階はフルリフォームする一方、2階は最低限の部品交換にとどめ、当初見積もりの約70万円から20万円ほど削減する。
子供が巣立つ時期も近づき、上の階のトイレの必要性は今後、低くなると考えての判断です。
こうした「選択と集中」の発想は、内装全般にも応用できます。
たとえば、使用頻度が低くなった子供部屋や客間のリフォームを後回しにする一方、家族が毎日使うキッチンや風呂の機能維持を優先するといった判断がその一例です。
ライフステージの変化を見越した「長期的な住まい方の設計」を意識することが、費用対効果を高めるうえで欠かせない視点となります。
内装より、外壁や屋根の修繕が優先する事が重要であると、よく言われます。
内装を直した後、雨漏りがあれば修繕はやり直しになる。
外壁などの状態は安全性にも関わる。
雨漏りなどによる腐朽の有無は過去の地震の際、住宅被害度を大きく左右したとする調査もあります。

■メンテナンス費用高騰により、マンションも例外ではない!

マンションでもコストは上昇中となります。
首都圏では25年までの4年で20%弱上昇しました。
費用捻出に悩み、借金に頼る物件も増えた。
住宅金融支援機構が用意する融資の金額は2024年度、約257億円と実績を公表する11年度以来、最高でした。
修繕積立金の不足は、住民全体の問題だけにとどまらず、マンションの資産価値にも直結します。
修繕が遅れたり計画が不十分だったりする物件は、売却時に価格が下がるリスクが高まります。
購入希望者も管理組合の財務状況を重視する傾向が強まっており、修繕計画の透明性が問われる時代になっています。
現在は管理会社から最新の費用相場を入手し随時、積立金の見直しを行わないとすぐ資金不足に陥ってしまいます。
戸建て・マンションを問わず、住まいの修繕はもはや「後回しにできる問題」ではありません。
費用の上昇が続く今こそ、早めに専門家へ相談し、長期的な修繕計画を立てることが、賢い住まい方の第一歩といえます。
今後の参考にお役立てください。

法人営業部 犬木 裕

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