不動産取引ガイド

住宅購入時に地名(合成地名)から考える、過去の歴史とは?!

全国には無数の地名があり、古くから伝わる地名もあれば、最近になって生まれた地名もあります。
ちなみに厄介と言われる地名もあり、それは『合成地名(ごうせいちめい)』というものです。

皆様、ご存知でしょうか?!

合成地名とは、2つの地名から、その一部を取り合わせて作った新地名のことであり、もともと1889年(明治22年)に施行された市制及町村制というものが公表され、7万以上あった町村が、1.5万余の町村に統合されました。

複数の町村が合併して一つの町や村になると、新しい自治体名が必要になる為、その時、『合成地名』が出来てと言われています。

また、少しでも生まれ育った町や村には愛着がある為、また「周囲の人とのしこりを残さないためにも住民感情に配慮し、合併する町村からそれぞれ一文字ずつ取って、それを新たな自治体名にせよ」との国からの強い要請もあり、全国で合成地名が増産されることになったようです。

地名は「無形の文化財」といわれ、その地名の歴史や文化を探る手掛かりにもなりますので、住宅購入時に購入される場所などから過去の歴史に思いを馳せる事も住宅購入の楽しみです。

ちなみに東京都大田区は大森区の「大」と蒲田区の「田」から由来するようです。

1947年(昭和22年)に東京35区から23区に再編された際に合併して誕生といわれています。

墨田区も同じような考えで、本所区と向島区が合併する際、隅田川堤の通称名である墨堤の「墨」と隅田川の「田」を取って命名したそうです。

中野区は中野町の「中」と野方町の「野」を取って命名されました。

千代田区にある紀尾井町は坂道を挟んで紀伊徳川家、尾張徳川家、井伊家の3家の中屋敷があったことに由来するようで、紀伊の「紀」、尾張の「尾」、井伊の「井」を取って命名したようです。

また、「地名」から以前はどのような場所だったかを把握する事も出来る場合があります。

例えば「渋谷」は地名にもあるように谷地です。そのエリアを通る銀座線は古い地下鉄

ということもあり、都心の地下一階を走っています。

ですから、谷地に差し掛かると地上に顔を出してしまうのです。

谷地である根拠に、周りに青山・代官山・円山等の山もあります。

また、渋谷駅の周辺には今でも渋谷川や宇田川という川が流れています。

しかし、今は暗渠(蓋をした川や水路)になっており、川を確認することは困難です。

そんな状況を確認するのにオススメなのが、「古地図」を確認するということです。

参考までに国土地理院のホームページを見るとかなり勉強になります。

http://mt-soft.sakura.ne.jp/link/tool/index_old.html

東京エリアであれば、gooのホームページもおすすめです。

http://map.goo.ne.jp/history/

図面には、150年~350年も前の地域の貴重な情報が埋まっているものもあります。

地盤安心マップ(地盤ネットのホームページ)では1974年~1990年までの航空写真でも確認ができますので、ぜひ、参考までにお役立てください。

http://www.jibanmap.jp/map/main.php

法人営業部 犬木 裕

住宅ローン減税で失敗する人が多いです。前のページ

塀は隣との「共有」と「単独所有」どちらがいいのか?次のページ

ピックアップ記事

  1. 立地適正化計画をご存知ですか?
  2. 住宅購入は不安でいっぱい
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 危険な場所は 地形図で見分ける
  5. 住宅購入と 生涯の資金計画

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    耐震改修済みの旧耐震マンションを内見!

    エージェントの中田です。リニュアル仲介では、旧耐震マンションを普段…

  2. 不動産取引ガイド

    新たな線引きで変わる、あなたの家の資産価値!?

    先日、こんなニュースがありました。『豪雨災害「最悪」を想定 国…

  3. 不動産取引ガイド

    その価格、売主さんの「言い値」じゃないですか?

    インターネットを活用した不動産広告が盛んになり、一般の方でも多くの物件…

  4. 不動産取引ガイド

    『定期借地権付きマンション』の資産価値は?

    物件探しをしていたら、「うん?この立地でこの価格って安いんでは・・」と…

  5. 不動産取引ガイド

    住宅購入時に必ず目を通す販売図面。

    見方がわかると入ってくる情報量が一気に増えるものです。「駅徒歩…

  6. お金・ローン・税金

    1981年6月~1984年3月建築の物件は要注意!!

    その物件がいつ建築されたかで利用できる住宅取得支援制度が変わったり、手…

  1. お金・ローン・税金

    住宅ローンを組む際に注意すべきポイント
  2. 不動産取引ガイド

    地図に現れた「細い土地」
  3. 不動産取引ガイド

    IT重説が仮スタート!不動産取引のIT化は加速するのか?
  4. リノベーション

    中古戸建てのリスク=劣化の有無きちんと検査して対策を講じれば家は長持ちします。
  5. 不動産取引ガイド

    【後編】「マンションならではの2つの問題!?」既存住宅売買瑕疵(かし)保険の種類…
PAGE TOP