不動産取引ガイド

戸建て住宅の維持・保全対策

月になると我が家ではウッドデッキのペンキ塗りを行います。(DIYで自作のデッキです)
ゴールデンウィークの恒例行事になっていて、小学生になった子供たちが手伝ってくれます。
ウッドデッキは放置すると塗膜がはがれ、耐候性に優れた樹種とはいえ放置すると悪くなります。ひどい状況になると害虫の住処になってしまうことも・・・。
メンテナンスが面倒な方にはウッドデッキは不向きです。どうしても欲しい場合は木材じゃなくて樹脂製のものにした方が良いと思います。

今回は戸建ての維持・保全についてです。

「戸建てはマンションと違って修繕積立金などのランニングコストがかからないからお得」と戸建てを検討する方が良くおっしゃられるのですが、これは大きな間違いです。
建築物ですから経年とともに劣化します。当然ながら必要に応じてメンテナンスが必要です。
マンションは区分所有なので、共有物のメンテナンス・管理がルール化されているだけで、戸建てがメンテナンスフリーなわけではありません。

メンテナンスで最も重要なのが資力の確保です。
仮に月々3万円ずつ将来のメンテナンスのために積み立てるとします。1年間で36万円、10年間で360万円、20年間で720万円です。
外壁・屋根の耐用年数が15年~20年だと考えると、これくらい予算を確保しておかないと、将来的に資金調達に苦労してしまうかもしれません。

維持・保全対策は細かく手入れを行っていれば安く済ませることが可能です。

例えば壁のひび割れですが、放置するとそこから雨水が浸入し、内部の木材を腐らせてしまう要因となるのですが、
発見した時にパテなどで埋めるなど応急処理を施せば、劣化を食い止めることができます。
人間の体と同じで、早期発見と適切な対処が一番なのです。

これから戸建て住宅を購入される方は、少なくとも1年に1回はご自身で家屋の点検を行うことをお勧めします。
冒頭のウッドデッキのように家族の恒例行事にしてしまえば、そんなに手間ではないですし、何より家への愛着が深まるのでお勧めです。
また、5年に1回は建築士による専門的な検査を受けることもお勧めです。プロでないと判断できない箇所があるからです。

このように、将来の修繕のために資力を確保し、定期的に点検・適切な修繕を行うことを維持・保全対策と言います。
個人の責任だからこそ、戸建て住宅の場合はきちんと計画を立てて管理していきたいものです。

リニュアル仲介の稲瀬でした。

不動産チラシの写真一枚から読み取れるリスク!リニュアル仲介エージェントからのアドバイス。前のページ

理想の戸建て探し。でも「坪単価×必要な敷地面積」という現実を直視しなければなりません。リニュアル仲介エージェントからのアドバイス。次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 立地適正化計画をご存知ですか?
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 土地価格の相場を知る方法

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    不動産購入後に賃貸住宅を退去 引っ越し時の注意点!

    春は子どもの新入学や就職、転勤などで住み替えをする人が多くなります。そ…

  2. 不動産取引ガイド

    老朽化するインフラ 水道管の耐用年数をご存知ですか?!

    〇水道(老朽化するインフラ)を取り巻く環境が大きく変わる?!昨年、…

  3. 不動産取引ガイド

    不動産購入時に把握したい「相続税」について

    今回は表題の「相続税」について、解説したいと思います。勿論、不動産…

  4. 不動産取引ガイド

    急なテレワーク体制で得た貴重な教訓

    新型コロナウィルスの感染拡大防止のための緊急事態宣言。感染拡大の影…

  5. 不動産取引ガイド

    ご存知ですか?ハザードマップ

    3.11の衝撃2011年3月11日、東日本を中心とした大災害が…

  6. 不動産取引ガイド

    阪神淡路大震災以後の木造住宅の改正

    今年の元旦、能登半島地震の被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。…

  1. お金・ローン・税金

    相続時精算課税制度とは?
  2. リニュアル仲介通信

    平成27年1月 「工法」「構造」によって耐震診断・かし保険ができない場合がありま…
  3. 不動産取引ガイド

    IOTって知っていますか?
  4. お金・ローン・税金

    相続の問題です!!
  5. 不動産取引ガイド

    雹の被害は春も注意が必要!!
PAGE TOP