「住宅ローンは手元にお金があるなら早く繰り上げ返済したほうがいい」とよく言われていますが、相続という視点から見ると、こたえはちょっと違ってくるようです。
相続対策というとまず「節税」を思い浮かべるものですが、これは間違いのようです。
もちろん、一理あるようです。
相続対策で、まず初めに行うのは、「納税資金の準備」です。不動産を相続した場合や、代償分割で他の相続人に、お金を払わなければならなくなった場合など、現金が必要です。
現金化しにくい不動産を相続した場合など、手元に納税資金がないと大変なことになります。
実は自分自身で納税資金を増やすのに一番手軽な方法は「住宅ローン」の活用です。
相続の観点でいえば、お金に余裕があっても住宅ローンを活用すべきだと言われます。
特に今のような超低金利、マイナス金利時代にはそれがいえるようです。
ローンを活用して手元資金を潤沢に持っていれば、いろいろ対応できます。
もう一つ、住宅ローンの特徴は、「団体信用生命保険」により、死亡時にローンの負債が消滅することです。通常の借入金ですと、相続が発生した場合には相続人が引き継いで返済しなければならないのですが、住宅ローンの場合は団信の保険金で完済されますので、「頑張って住宅ローンを返しておかないと、死後、子供に迷惑をかける」という恐れはないようです。
その為、自分がローンの返済期間中であり、そろそろ親からの相続が発生しそう(納税資金が要りそう)なら、なるべく繰り上げ返済しないでいた方が手持ち資金に余裕ができるようです。同様に、親が自分の住宅ローンを繰り上げ返済しようとしていたら「納税資金のためにも繰り上げ返済せずに、手持ち資金として確保しておいてね」とアドバイスすべきなのです。つまりはお金との上手な付き合い方ができそうです。
今後の参考にお役立てください。
法人営業部 犬木 裕
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