不動産取引ガイド

ハンコがない!?海外在住者の契約手続き

日本では、契約書などの大切な書類には実印を押します。

実印は、各市区町村に印影が登録され、本人の意思確認をするうえで、重要な要素となっています。

ところが、海外に在住している日本人の場合、印鑑登録制度がありません。

そのため、「実印」という概念が成立しなくなってしまうのです。

それでは、不動産の契約等はどのようにするのでしょうか。

実印登録がない日本人の場合、諸外国の制度にならい「サイン(署名)」を用いることになります。

在外邦人の場合には、居住地の日本大使館にて「サイン証明書」を取得することで、印鑑証明書に代えることが可能です。

ところが、もう一つ、やっかいな問題があります。

それが「割印」又は「契印」です。

日本の場合、契約書が何葉にもわたる場合など、書類の綴目に「契印」を押します。

また、関係する2通の書類には「割印」をすることで、書類の一体性を確保します。

ところが、実印による押印をサインに代えた場合には、この「割印」や「契印」に代えて「割りサイン」をすることになります。

日本人の場合ですと、もともとサイン自体が不慣れな方も多いですが、それに加えて、用紙と用紙を重ねた段差のあるところにサインをしなければならないので、普段のサインとは似ていないサインになってしまうケースもあるようです。

この「割りサイン」がサイン証明書の表示と異なるといった理由で問題になったケースは聞いたことがありませんが、なかなかやっかいな問題ですね。

あえて「割りサイン」をしなくても、各ページすべてにサインをするという方法もありますが、不動産の契約書などはページ数が多くなってしまうので、悩ましいところです。

日本の「判子を押す」という文化が、意外に便利なものだと改めて感じることもあります。

普段あまり使う機会のない実印ですが、契約の際には日本の文化にも思いを馳せてみてはいかがでしょう。

***************************************************

■不動産の資産価値を即座に判断

セルフインスペクションアプリ「SelFin」

https://self-in.com/(ご利用は無料です)

■資産となる家を真剣に考えるセミナー

http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0

***************************************************

2017 年9月度の不動産相場前のページ

地盤の液状化現象・洪水などの自然災害によるリスクとなる土地なのかを事前に調べる方法。次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 住宅購入と 生涯の資金計画
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    意外な落とし穴 マンションの底地

    通常、マンションの売買をする場合、その底地(=敷地)についてはあまり気…

  2. 不動産取引ガイド

    地下車庫付の中古物件を購入する際の注意点

    坂の多い戸建ての住宅街では、車庫が地下にあることが多いです。このよ…

  3. 不動産取引ガイド

    建物調査のデメリット

    不動産売買に際して行う建物の調査のことを、「建物状況調査(インスペクシ…

  4. 不動産取引ガイド

    耐震基準適合証明書と住宅ローン減税 【築20年以内の木造住宅の場合】

    建物の状況別の対応シリーズです。築20年以内の木造住宅は築後年…

  5. 不動産取引ガイド

    住宅購入の失敗は不適切な予算設定が原因

    今年こそは家を買おう!と決めている方も多いのではないでしょうか。い…

  6. 不動産取引ガイド

    最長50年住宅ローンが注目されている!しかし総返済額増えるリスクも…!

    首都圏の新築マンションの平均価格がバブル期を超え、高騰が続いています。…

  1. 不動産取引ガイド

    適材適所の収納術
  2. 不動産取引ガイド

    建築士は罰則規定が背景にある職種です。
  3. 不動産取引ガイド

    地域の生活コスト「見える化」システム
  4. 不動産取引ガイド

    家を購入する前に最低限準備しておくこと
  5. 不動産取引ガイド

    農地は本当に大変!(農地第4条・5条許可申請編)
PAGE TOP