不動産取引ガイド

木造住宅の寿命は何年?

住宅関連のブログを探すと、よく見かける疑問点です。

一般に木造住宅の寿命は20年程度と言われてきたのですが、実はこの20年程度は今となってはあまり根拠がないという意見もあります。

固定資産税の算定で住宅の耐用年数が定められるのですが、不動産鑑定もこの税金の計算に倣って20年程度とされるのが通説のようです。

日本の建築技術の進歩は素晴らしいものです。戦後間もない頃なら20年でも納得できるのですが、平成になってからの建物が20年くらいで使えなくなるわけがありません。

ただ問題なのが、いつまで耐えられるかについては、どこにも根拠がない、ということです。

木造住宅、特に在来工法(木造軸組み工法)は、日本の気候風土に適した工法だと言われます。
割と多くの方が勘違いをしてしまうのですが、建物はノーメンテナンスで何年も過ごせるわけではありません。
実際にマンションは修繕金を月々積み立てて、定期的に修繕工事を行って、性能を保つ努力をしています。

できの悪い住宅営業マンが、修繕積立金の負担がないから戸建ての方がお得ですよ、みたいな冗談みたいな営業トークをすることがあるのですが、戸建てだからこそ修繕積立金が必要です。
仮に月々15000円を積み立てるとします。年間18万円、20年で360万円です。この360万円を原資に、建物を長持ちさせるリフォーム(外壁塗装や防水関係)を行うべきなのです。

冒頭の「木造住宅の寿命は何年?」の回答は「あなた次第です」になります。
家を長持ちさせるのも、壊すのも、住む人次第。
これから家を買う、特に戸建て住宅を検討されている方は、購入時に住宅の営業マンからはほとんど情報が得られないのですが、家を長持ちさせるためのメンテナンスコストにも目を向けることをお勧めします。

余談ですが、お盆で帰省した際に、実家に引き込んでいる水道管から水漏れが発生して、市の水道局の方が、暑い中工事を行ってくれました。
実家は平成元年築なので31年目。建物だけでなく、配管関係も30年くらいになると影響が出始めるのかもしれません。

2019 年7月度の不動産相場前のページ

【プレスリリース】「マンションの耐震性に関するアンケート」住宅購入意識調査次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 住宅購入は不安でいっぱい
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    住宅の省エネ対策に新補助制度を利用しませんか?!(3省合計予算: 2800億円)

    ■住宅省エネ化に向けた新たな補助制度がスタートします!国土交通省、…

  2. 不動産取引ガイド

    2020 年1月度の不動産相場

    公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)から、2020…

  3. 不動産取引ガイド

    木材価格の更なる高騰!戸建てを検討されている方は買うと決めたら早めに動いた方が良さそうです

    新型コロナの影響から木材価格が高騰しウッドショックと言われるほどの大き…

  4. 不動産取引ガイド

    人口減少時代の都市開発(コンパクトシティ化)が遅れている?!

    先月の日本経済新聞に「コンパクトシティーに逆行」という記事が出ていまし…

  5. 不動産取引ガイド

    不動産は「リアル」と「メタバース」、2つ所有する時代になる?!

    ■突然ではありますが、「メタバース」をご存知ですか?!突然ではあり…

  6. 不動産取引ガイド

    最近の住宅展示場の変化

    先日、とある番組で最近の住宅展示場の紹介をしていました。全館空…

  1. 不動産取引ガイド

    マンションのゲストルーム活用法 トラブルを避けるた為のポイントは?
  2. 不動産取引ガイド

    中古住宅購入時の確認ポイント
  3. 不動産取引ガイド

    「羽田新ルート」に伴う騒音 都心の不動産価格にも影響?
  4. 不動産取引ガイド

    公簿売買と実測売買の違い
  5. 不動産取引ガイド

    2018 年2月度の不動産相場
PAGE TOP