不動産取引ガイド

私道にまつわるトラブルとは?

一般的に不動産購入において、「私道」には気を付けよう、と言われています。

トラブルが起こるケースがあると言われていますが、具体的にはどんな問題があるのでしょう?

まず「私道」の対義語は「公道」です。

「公道」とは、国や市区町村が所有者(又は管理者)となっている道路です。

そのため、整備や補修、工事などは、公共機関が行ってくれます。

一方、「私道」とは、一般人(=私人)の所有となっている道路になります。

そのため、道路の管理や補修、工事などは、所有者が自ら行わなければいけません。

補助金などの制度もありますが、費用等も所有者の負担になります。

この私道がトラブルになるケースの1つは、私道が複数の所有者名義になっている場合です。

この場合、道路の工事等をする場合には、所有者全員の承諾が必要になってしまいます。

そのため、費用をかけたくない人と、工事をしたい人との間で意見が分かれてしまい、話が進まない、といった状況が生まれてしまいます。

次に問題なのが、そもそも所有者が行方不明となってしまっているケースです。

家の建替等に伴い、水道管やガス管の新設・改修を行おうとしたところ、そもそも所有者と話ができずに困ってしまう、といった事例です。

昨今は、「空き家」問題が大々的に取沙汰されていますが、道路持分の所有者が行方不明というケースも多々あります。

自宅は空き家になっているし、近隣の人も引越し先や連絡先を知らないとなってしまうとお手上げです。

ケースによっては、行政やガス会社と相談のうえ、工事が進められることもあるようですが、とても大変な手続きとなってしまうのです。

私道が一律に良くないという訳ではありませんが、私道のデメリットも認識したうえで不動産選びを進めたいものですね。

中古住宅取引におけるリフォーム費用の考え方前のページ

「家に地下室を作るメリットとデメリット」次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    その擁壁(カベ)、本当に安全ですか?~宅地造成等規制法~

    不動産取引の関係法令第3弾、「宅地造成等規制法」についてです。…

  2. マンション

    航空写真を使って土地の利用履歴を見る

    昔この場所は何に利用されていた土地なのか?40~50年前を航空写真…

  3. 不動産取引ガイド

    「損をしない家の買い方」や「買ってはいけない不動産」について今月も本部セミナーを開催します!!

    資産価値が目減りしない住宅を購入する事、それが今後の不動産購入には必要…

  4. 不動産取引ガイド

    平屋住宅シニアだけじゃない若年層にも人気

    平屋とは「1階建ての家」のことです。すべての空間がワンフロアに収ま…

  5. 不動産取引ガイド

    土地・建物には細かな制限があります。

    一見なにげなく建っている家にはさまざまな制限の中,建てられています。…

  6. 不動産取引ガイド

    出来れば避けたい、ご近所トラブル!!

    賃貸でも購入でも避けたいのは、ご近所トラブルだと思います。私自…

  1. 不動産取引ガイド

    低炭素住宅【 省エネ住宅シリーズ】
  2. 不動産取引ガイド

    3軒に1軒が空き家の時代が訪れる!?
  3. 不動産取引ガイド

    初めて住宅ローンを組む際に理解すべき7つのポイント
  4. 不動産取引ガイド

    認定長期優良住宅等の取得時に選べる2つの特例、どちらがお得?
  5. お金・ローン・税金

    2019年12月 フラット35金利のご案内
PAGE TOP