天災・事故等

大規模災害と土地の境界

土地の面積については、法務局備付けの公図・測量図において、境界のポイント・測量面積が記録されています。

先日の東日本大震災の津波被害や、熊本地震での土砂災害などがあった場合には、設置されていた境界標が消失してしまったケースや、流されてしまったケースもあったようです。

最近測量して設置された境界標の場合には、GPS測量という方法が用いられているため、位置の再現が比較的容易であるという特徴があります。

一方で、古くに測量されたままの境界標の場合、GPS位置情報の記録がなく、また法務局の資料自体が不正確な場合もあるため、復元が困難になってしまう場合もあります。

また、境界標の復元には、隣地所有者との立会が必要となる場合もあるため、なかなかスムーズにはいかないケースもあるようです。

さらに、最近では地震があった際に、断層の横ずれなどで境界標の座標自体が動いてしまう、とったケースもあるようです。

国土地理院のホームページでは、地殻変動が起こったデータを公表しています。

<国土地理院>http://www.gsi.go.jp/

一応、法務省民事局からは、「地震による地殻変動に伴い広範囲にわたって地表面が水平移動した場合には、土地の筆界も相対的に移動したものとして取り扱う。」といった通達も出されています。

実際には、ケースごとに判断することになると思いますが、地震の影響で直線だった境界が湾曲してしまった、などのケースも起こっているようです。

地震などの大規模災害による影響は、生活インフラの復旧だけでも収まらず、その後も色々な部分に派生・関連してきてしまいます。

改めて、地震の威力・影響を思い知らされる気がします。

地震被害を完全に避けることはできませんが、できるだけ被害を小さくできるように、防災意識を高めていくことを心掛けていきたいものです。

不動産値上がり、出遅れている地域は!?前のページ

「夫婦共有名義にするメリットとデメリット」次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 契約関係

    「家庭裁判所の許可」が必要な不動産取引

    今回、販売チラシに「家庭裁判所の許可が必要」という記載がありました。…

  2. 不動産取引ガイド

    古家付き土地物件の解体費用の目安は?!

    住宅購入時に「古家付き土地」という物件があります。基本的には土地として…

  3. 不動産取引ガイド

    地価には標高が影響する!?「国分寺駅」サンプルに検証。

    「駅から同じくらいの分数なのに、いつも安いのは〇〇町...」お住ま…

  4. 不動産取引ガイド

    海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 1 【全体スケジュール 編 1/2】

    海外赴任が終わり、日本に帰国した後の住まいを、できるだけ早く決めておき…

  5. 不動産取引ガイド

    職場の地震倒壊リスクを確認!学校、よく行く商業施設、耐震性は大丈夫?

    地震大国の日本。大地震は、いつ来るか分かりません。各自治体から…

  6. 天災・事故等

    新潟県中越地震から14年

    10月23日は新潟県中越地震が発生した日です。あの日から早14年。…

  1. 不動産取引ガイド

    コンビニが最新のコインランドリーに!
  2. 不動産取引ガイド

    インテリアカラーはどうやって決める?
  3. 不動産取引ガイド

    安心の住宅購入の為、把握しておきましょう。建物状況調査(インスペクション) 徹底…
  4. 不動産取引ガイド

    中古住宅を購入してリフォームをされる方、必見?!住宅リフォームガイドブック(令和…
  5. 不動産取引ガイド

    不動産取引もITでスムーズに
PAGE TOP