不動産取引ガイド

フラット35不正利用問題について思うこと

 

フラット35が話題になっています。

フラット35を利用した中古マンションへの不動産投資

https://happy-apartment.com/2019/05/04/flat-35-illegal-use/

フラット35「不正利用」した人はどうなるのか
https://toyokeizai.net/articles/-/281456

事件をご存じない方向けに事件の概要をざっくりご紹介いたします。※詳細は上の記事などをご覧ください。

フラット35は住宅金融支援機構の住宅ローンです。全期間固定の住宅ローンで、借りたときの金利がずっと続くため、毎月の返済金額が変動しないので、安心の住宅ローンと言われます。
住宅ローンは原則として自ら居住するための住宅に利用するものですが、今回の事件は不動産投資用の物件取得のためにフラット35を利用していた、というのが問題となっています。
実際のケースでも、当初は住んでいたものの、やむを得ない理由で転居して、そのまま人に貸していた、というようなケースなどイレギュラーが存在しており、そのイレギュラーを勝手に拡大解釈した不動産事業者が不動産投資用に悪用していたという顛末です。

不正利用については、利用者に一括返済が課せられるなど、少し重たい処分となるのですが、フラット35は国の予算が入った「住宅取得支援制度」という側面もあり、本来の目的以外での税金の利用は当然ながら認められるものではありません。

フラット35は審査が緩いと言われることがあるのですが、そんなことはありません。金融機関による審査がきちんと行われます。
ただ、民間金融機関では一般的なルールとフラット35の審査基準が異なる部分がある、というだけのことです。

例えば、民間金融機関の住宅ローンは勤続3年以上の正社員でないとかなり厳しいと言われますが、フラット35は転職間もない方でも組むことができますし、正社員でないといけないというわけでもありません。
※このあたりが「緩い」と言われる理由です。

ただ、今回の不正利用でもある「自ら住まない」ことが懸念される案件については厳しく評価されることもあります。
かなり機微な判断が必要なので一概に言えることでは決してないのですが、例えば単身者がフラット35を利用する場合、将来的にその家が不要になることが懸念されるので、他の人に比べると審査が厳しく見られるようなことはあるようです。

全期間固定金利のフラット35は、変動金利の住宅ローンに比べると金利は高くなるのですが、ここ最近の低金利の状況を見ると、一般的な変動金利との金利差と、返済金額がずっと変わらないという安心を天秤にかけた場合、個人的には安い方が良いというよりは、安心な方がいいですよと勧めたいところです。

何となく不動産会社が勧めるフラット35は怪しいと、事件の内容よりも「フラット35」というワードだけが先行しているような気がしてなりません。
住宅ローンの選択は、住宅購入のシーンでも重要な判断となるため、きちんと情報を得て正しく判断したいものです。

固定資産税とはどんな税金?軽減措置があるのを知っていますか?前のページ

事故物件はお買い得?不動産と心理的瑕疵次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 住宅購入は不安でいっぱい
  3. 住宅購入と 生涯の資金計画
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    相続登記が無料になります!

    最近話題となっている「空地・空き家」問題の解消を目指して、「相続登記の…

  2. 不動産取引ガイド

    お花見は外国の方にも大好評!

    4月に入り桜の季節になりました。最近では日本人だけではなく、お花見の為…

  3. 不動産取引ガイド

    誰でもわかる!木造住宅の耐震診断 ~接合部~

    懲りずに誰でもわかるシリーズです。今回のテーマは接合部です。…

  4. 不動産取引ガイド

    ブロック塀の倒壊から考える違法建築物を所有するリスク

    大阪府北部で震度6弱を記録した地震では、建築基準法の条件を満たさないブ…

  5. 不動産取引ガイド

    FPシリーズ1シングル女性のマンション購入

    雑誌の記事で役に立ちそうな情報がありましたのでご紹介したいと思います。…

  6. 不動産取引ガイド

    土地を借りて家を建てる?賃借権と地上権の違いとは”

    家を買うというのは皆さんにとって大きな買い物です。特に、土地を借りて建…

  1. 不動産取引ガイド

    2023年を振り返る 金利上昇リスクに翻弄された1年でした
  2. 不動産取引ガイド

    土地の種類に要注意
  3. 不動産取引ガイド

    不動産業界の新常態(ニューノーマル)を探る?!
  4. 不動産取引ガイド

    不動産業界の実態
  5. 不動産取引ガイド

    古い、汚いはリフォームで解決できる!
PAGE TOP