ここまで耐震基準適合証明書と住宅ローン減税について説明してきました。今回は耐震基準適合証明書の詳細についてご説明いたします。
本ページ内のリンクは実際の取引でも利用する場面があるかもしれないので、ご活用ください。
ここまで築年数が古い物件で住宅ローン減税を利用する方法について説明してきた。
ややこしい話でしたね。
今回は実際の書類を紹介しようと思う。
耐震基準適合証明書は3種類ある
まずはじめに一口に耐震基準適合証明書と言っても3種類あるんだ。
これから書類を紹介するけれど、実際の取引では建築士事務所が用意するものなので、3種類あることだけ認識していれば問題はないよ。
あの~太郎さん…。
全部同じに見えるんですけど。
よく見ると赤色の部分が違うんだよ。
こんなのわかりませんよ~
3つそれぞれ利用のタイミングや提出先が異なるから、発行してもらった時に付箋などでわかるようにしておくことをお勧めするよ。
<補足>国交省HP 耐震基準適合証明書関連ページリンク
□住宅ローン減税
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
住宅ローン減税の場合、ケースによっては増改築等工事証明書も必要になる場合があるので、耐震改修工事を伴う場合は、予め税務署へ相談することをお勧めします。
また、このページの「 中古住宅取得後に耐震改修工事を行う場合について 」は、所有権移転後の手続きを行う際に必要になるページです。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000031.html
□住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000019.html
□不動産取得税に係る特例措置
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000020.html
書類を利用するタイミング
耐震基準適合証明書は利用したい制度によって提出するタイミングが異なるんだ。
すべてが確定申告時ではないんですね。
最も早いタイミングで利用するのが登録免許税用だ。これは所有権移転のタイミングで必要になる。
所有権移転登記を行う司法書士に予め耐震基準適合証明書があることを伝えて、いつまでに司法書士に提出すれば良いかを確認しておくことが重要だ。
所有権移転前はバタバタするのでうっかり忘れてしまいそうですね。
また、このタイミングの問題があるから、所有権移転後に耐震改修工事を実施して耐震基準適合証明書を発行する方法の場合は、登録免許税の減額制度は利用できない、ということになる。
所有権移転の時点では耐震性が確保されていないからでしょうか。
所有権移転後に証明書を発行する場合は混同しないように気を付けないといけませんね。
次に利用するのが不動産取得税。
不動産取得税が発生する場合は、所有権移転から数か月後に管轄の役所から不動産取得税の案内が届くので、耐震基準適合証明書ほか必要書類を持参して、役所へ減額申請を行う。
自分でやらないといけないんですね。
でも役所からの案内の時点で工事がまだ完了してないってこともありますよね。
その場合は時期について相談できるから、とにかく不動産取得税の案内が届いたら、すぐに役所へ行った方が良い。
ちなみに戸建てで不動産取得税が発生するのは主に旧耐震案件だと思われるけど、都市部だとびっくりするくらいの金額になることもあるから、不動産売買契約前に金額を確認することをお勧めするよ。
必要経費は正確に把握しないといけませんよね。
最後に住宅ローン減税。確定申告時に必要な書類を提出する。耐震基準適合証明書だけじゃなくて他にも必要な書類があるので、早めに準備しておくことをお勧めするよ。
太郎さん、調べたら耐震基準適合証明書って相続税とか贈与税なんかの制度でも利用できるみたいですね。
実際、書類の持つ意味は、当該家屋の耐震性を証明するものだから、他の制度で流用されることが多い。
ただ、 相続税とか贈与税の場合は税理士の指示を必ず仰ぐこと。
単に書類があればいいだけじゃなくて、どのタイミングで誰名義の書類でないといけないかが問題になるからね。
耐震基準適合証明書を何かの制度の切符と思うのは本当に危険だから注意しよう。