不動産取引ガイド

相続登記義務化の詳細

土地や建物を所有している方に相続が発生した場合、これまでは名義変更(=相続登記)の申請については、期限が設けられていませんでした。

そのため、名義変更されることがなく、所有者が不明となってしまう不動産が多く発生していました。

そこで、新たに相続登記を義務化して、登記を行わなかった場合には、過料(かりょう)という罰金を科すという法律が制定されました。

相続登記は3年以内に

まず、相続の登記の申請期限が、「相続で不動産を取得したことを知ったときから3年以内」とされました。

相続が発生したときからではなく、自分が相続人となり、その不動産を取得する権利があることを知ったとき、という規定です。

具体的な「知ったとき」の証明については、今後の情報を待つことになります。

過料は最大10万円

そして、相続登記を怠ったときの過料(=罰金)は最大10万円とされました。

ただ、遺産分割協議がまとまらず、相続登記を申請することができない等の場合には、自分が相続人であることを届け出ることで、この罰金を免れることもできるようです。

住所変更についても登記が義務化

相続の登記と同じように、住所への変更があった場合にも住所変更の登記を行うことが義務化されました。

不動産を購入する場合、不動産の決済と登記は同日に行うため、引越し前の住所で登記をすることがあります。

これまでのケースでは、決済日に鍵を受け取り、引越しを済ませ、住民票を異動させて免許証や銀行の住所変更を行うと一段落してしまい、登記の住所を変更しなかった、という方が多かったと思います。

登記上の住所を変更しなくても、特段不便はなかったからです。

ところが、今後はこの住所変更も義務化されましたので、きちんと申請を行うようにしましょう。

不動産を保有している場合の手続きが増えることになりますが、IT化が進むことにより、こうした手続きも簡便に行える方法も浸透していくのではないでしょうか。

法改正だけでなく、手続きのシステム化も同時に進んでいくことを期待したいです。

エアコン設置 隠ぺい配管には気を付けよう!前のページ

「終の棲家」という考えは不動産購入時に不要?!次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 立地適正化計画をご存知ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    新型コロナウイルスにより、地価上昇も幻となる?!

    〇自然災害の影響が少ないエリアが不動産の購入すべきエリアで間違いがない…

  2. 不動産取引ガイド

    火災保険と地震保険の選び方ってご存知ですか?

    補償が多いので、何を基準に検討して良いかわからない方も多いと思います。…

  3. 不動産取引ガイド

    不動産取得税とは

    不動産取得税とは、土地や家屋などの不動産を新たに取得した際に一度だけ課…

  4. 不動産取引ガイド

    建築物の見えない空間になにが詰まっているのでしょうか?

    建築物の見えない空間とは一階の天井から2階の床の間や2階の天井と屋根の…

  5. 不動産取引ガイド

    これを満たせば、住宅の容積率緩和が受けれる!?(地下室編)

    戸建て物件探ししていると、こんな物件に出遭う事があります。土地の敷…

  6. 不動産取引ガイド

    売主偏重の不動産市場

    今回のお話は不動産市場にも明るくて建物の構造や性能にも精通している、完…

  1. 不動産取引ガイド

    変動金利は「お得」なのか?「いつでも売れる」住宅購入が重要です
  2. お金・ローン・税金

    2023年6月 フラット35金利のご案内
  3. 不動産取引ガイド

    築36年の中古戸建 購入前の建物検査(インスペクション)風景をご紹介
  4. 不動産取引ガイド

    後悔しない内装にするためには⁉
  5. 不動産取引ガイド

    資産価値に重きを置いた不動産取引 『SelFin Pro(セルフィンプロ)』とい…
PAGE TOP