不動産取引ガイド

土地所有者の特定が円滑になる!?

昨今話題になっている、空地・空き家問題を解消するための方策として、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」が可決されました。

住民基本台帳ネットワークが利用可能に

この法律が施行されると、空家等対策の推進に関する特別措置法等に基づく事務を行う際に、住民基本台帳ネットワークシステムを利用して、所有者の特定が円滑になる、というものです。

市町村長は、勝手に住民の住民票などを確認することはできない規定になっており、この法律が施行されることで、必要な場合に住民基本台帳ネットワークを利用できるようになります。

長年放置された土地建物は所有者の特定が困難

一方で、長年、住所変更手続きが放置されてしまっている土地建物に関しては、所有者の特定がそれでも困難な場合があります。

以前は市町村において、転出した住民の住民票は5年ほどで破棄されてしまっていたため、住所情報自体が抹消されてしまっており、住所のつながりが確認できないケースが多々あるのです。

実際に取引の現場においても、ガス管や水道管の補修をするために自宅前の道路の所有者を調べてみたところ、昭和初期から名義変更が行われておらず、現在の所有者を特定するきっかけすら掴めない、といった事例もあります。

住所変更登記が義務化されます

こうした問題を解決するため、登記の住所変更手続き自体も義務化される方向となっています。

登記の住所変更自体は、通常は住民票を添付して申請するだけの手続きとなり、手続費用も2,000円程度が一般的ですので、そこまで大きな負担とはならないはずです。

ただ、土地や建物の件数が多い場合や、長年手続きを放置してしまっている場合には、費用や手続きが嵩んでしまうケースもありますので、注意が必要です。

購入した土地建物の適切な維持管理は、そのまま資産価値の維持にもつながります。

土地建物について何かご相談がある場合には、お気軽にエージェントまで相談してみましょう。

「こどもみらい住宅支援事業」という補助事業をご存知ですか?(新築分譲住宅購入編)前のページ

2022年住宅ローン控除はどう変わる?次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    コロナ影響「住宅ローンが払えない」相談が急増!返済困難な場合の対応策

    新型コロナウイルスの影響で収入が減った人からは「住宅ローンを払えない」…

  2. 不動産取引ガイド

    雷が家におちたらどうなるの?

    最近ゲリラ豪雨や突風、雷などの被害がニュースでよく見かけます。…

  3. 不動産取引ガイド

    中古住宅購入なら利用したい、国の支援制度

    中古物件を購入する場合、住宅ローン減税や補助金などの支援制度がいくつか…

  4. 不動産取引ガイド

    相続放棄手順をご存知ですか?

    相続放棄に踏み切る人は増えています。司法統計によると、2021年の受理…

  5. 不動産取引ガイド

    築50年の家に耐震改修は必要か?

    先日お問い合わせがあった事例です。住宅の耐震化の難しさを改めて実感しま…

  6. 不動産取引ガイド

    木造でビルが建つ!?

    都心の防火地域に新築する建物は、火災に強い耐火建築物にしなければならな…

  1. 不動産取引ガイド

    立地適正化計画 浸水想定域に住宅誘導?!立地適正化計画 浸水想定域に住宅誘導?!…
  2. 不動産取引ガイド

    火災警報器も定期点検を。
  3. 不動産取引ガイド

    温暖化ガス削減にも貢献?!ZEH(ゼッチ)マンションとは?!
  4. 不動産取引ガイド

    「どこに住みたいか」ではなく「どこに住むことが出来るのか」
  5. 不動産取引ガイド

    売主偏重の不動産市場
PAGE TOP