不動産取引ガイド

日銀の金利引き上げで、住宅ローンの金利はどうなっていく?

日銀は2022年12月20日の金融政策決定会合で金融政策を一部修正し、従来の長期金利の上限を「0.25%程度」から「0.5%程度」に引き上げました。
今まで黒田日銀総裁は「政策変更はない」としてきましたが、金利上昇に向けて政策変更を行い、事実上の利上げと言われています。

今回の事実上の利上げ発表により、長期金利(10年国債金利)は20日、急激に上昇し、おおよそ0.2%以上の金利上昇となりました。
これに住宅ローン金利にどう影響するのでしょうか。来月の住宅ローン全期間固定金利や10年固定金利など、0.2~0.25%上昇する可能性があると言われています。

上記のように、今年に入って全期間固定金利が徐々に上がってきていましたが、今回の日銀の発表により2023年1月の全期間固定金利は大方上がる見込みです。
それに対して、変動金利はおそらく据え置きになると思われます。
月々の支払いシミュレーションをすると、変動金利で借りた方が月々の支払いが安く、より魅力的に見えることでしょう。

不動産を販売している会社の営業マンは、物件を購入して頂くために月々の支払いが安くなる「変動金利」で進めてくるケースが多いです。
しかし、そもそも変動金利は「将来金利が上昇する可能性を想定して利用する」ものであり、決して「将来金利が上昇しないと信じて利用する」ものではないので、その点注意しておきましょう。

来年4月に日銀の黒田総裁が任期満了を迎えることもあり、長らく続いた低金利政策の終了の可能性があります。
今後日銀が利上げしていく経済環境になれば、固定金利はより大幅な上昇の可能性も見込まれますので、最長35年間の長期ローンとなる住宅ローンの上昇リスクを避けたい方にとっては、今のまだ低金利のうちに全期間固定金利で借りるべきタイミングといえます。

たった15年前の2007~2008年の時の全期間固定金利は、2.8~3.0%前後です。その時の金利から見れば、まだまだ低金利と言える水準です。
借入時の金利が低い時は将来の金利上昇リスクに備えて固定金利を選択するのがセオリーといわれます。

住宅ローンの返済は、家計にも締める割合が大きな支出となりますので、この年末年始のタイミングで金利上昇に耐えうる資金計画を立て、2023年住宅購入に向けて備えておきましょう。

ただし、住宅ローンを含めた資金計画は、中々自分でやるのも難しいので、できれば専門家の不動産エージェントに相談の上、資金計画・購入計画をされることをお勧めいたします。

契約時に払う『手付金』とは何か? 何に注意をすればよいか?前のページ

不動産購入後の「カーテン」の選び方!「視覚効果」を活用する!次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 危険な場所は 地形図で見分ける
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 住宅購入は不安でいっぱい
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    マンションは内断熱か外断熱か

    断熱は結露防止や省エネルギーの観点から必須。マンションは内断熱が一般的…

  2. 不動産取引ガイド

    購入する物件が決まった後にすること その6(ローンの金消契約について)

    物件探しを行い、内見を進めていき、色々比較した中で『よし、この物件を購…

  3. 不動産取引ガイド

    防犯対策は万全ですか?

    空き巣などの住宅を狙った侵入窃盗が、毎年多く発生しています。ガラスを破…

  4. 不動産取引ガイド

    住宅地での戸建て選びのポイント

    不動産は一度購入すれば長期間にわたり暮らす、あるいは保有する資産です。…

  5. 不動産取引ガイド

    「署名」と「記名」の違い、ご存じですか?

    「署名」と「記名」の違い、ご存じですか?お住まいのご購入には色…

  6. 不動産取引ガイド

    2017 年12月度の不動産相場

    公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)から、2017…

  1. お金・ローン・税金

    年収400万~600万 生活費を確保し無理なく返せる借入額はいくらか 
  2. お金・ローン・税金

    【フラット35】制度拡充終了迫る!内見時の情報収集精度で利用の是非が分かれる!?…
  3. 不動産取引ガイド

    中古マンション購入時の固定資産税・管理費等精算ガイド
  4. 不動産取引ガイド

    2022年10月度の不動産相場
  5. 不動産取引ガイド

    不動産購入後の照明の選び方!「昼光色」と「昼白色」の違いをご存知ですか?
PAGE TOP