中古マンションを購入する際、築年数は気になるところです。築40年を超えるマンションは非常に多く、立地の良い場所にはこの築40年以上のものが多いのも事実です。昭和52年~昭和54年には、オイルショックにより不況からようやく脱しつつあった時期に、神奈川県、埼玉県、千葉県などの東京に通勤できるエリアにマンション供給が一気に進みました。この時代は、職住近接をうたったマンションが戸建てよりも利便性に優れた面が評価され、民間デベロッパーの大型開発が増加しました。その結果、数多くのマンションが供給されたのです。
駅近の少し古めのマンションは、この年代の物件がかなり多く、実際に売買取引も盛んに行われています。
ただ、この年代の物件を購入してよいのか?という質問については、よく考える必要があります。まず、昭和56年6月1日より前に建築確認を取得したものは、いわゆる旧耐震の物件です。住宅ローンの控除対象となる築年数要件は、築25年以内から「昭和57年1月1日以降に建築された住宅」へと2022年に改正されました。
この年代の物件は旧耐震物件と呼ばれ、耐震基準適合証明書が発行できない物件は住宅ローンの控除対象外となります。旧耐震物件は、大型の地震が来た際にはあなたや家族にとっても危険です。また、耐震補強をしていない旧耐震マンションは一気に危険な状態になる可能性もありますので、注意が必要です。
築古い物件でもお勧めできるマンションとは?
人気のある駅から近く(できれば、7分以内)の好立地であること
管理の状況が良い50戸以上のマンション
新耐震基準のマンション(昭和57年1月以降に建築されたものでローン減税の対象になるもの)
築古い物件で避けた方が良いマンションとは?
旧耐震時代のマンション
駅から徒歩10分超のマンション
管理状態の悪いマンション(例えば、借入をして修繕しているマンションなど)
総戸数20戸未満のマンション
駅から遠い築古のマンションでリノベーション済みのマンションは、買ってよいのか?
たまにこのような質問を受けますが、できれば避けた方が良いでしょう。理由は、今後の人口減で家の需要が減ると言われる時代に、駅から遠いだけで流動性がかなり落ちるからです。その上、リノベーション物件の場合は、業者が買い取ってリフォームを施し、利益をのせて販売しているため、将来的な売却時にも経済的な損失が大きくなる可能性があるからです。
以上のように、築古のマンションは立地と管理の状況が極めて重要な判断材料となります。自分で判断が難しい場合は、あなたの味方になってくれる不動産エージェントに必ず確認の上、購入を検討してください。