不動産取引ガイド

値上げが止まらない内装材

床材や壁紙などの内装材の値上げの波が押し寄せており、建築・インテリア業界に大きな影響をもたらしています。
新装やリフォーム、原状回復などにコスト増が懸念される中、どのような対応をすべきでしょうか。

■物価上昇の原因

・燃料・資源価格の高騰・・・燃料・資源コストの高騰の原因のひとつは、新型コロナウイルスの感染減少です。コロナ禍によって停滞していた世界各国の経済活動が再び動き出し、それによって世界的にエネルギーの需要が高まり、価格が上がりました。

・円安による輸入コストの増加・・・もうひとつが円安の影響です。2022年に入ってから徐々に円安傾向が強まり、2024年5月は150円台が続いています。日本は燃料や原材料の多くを輸入に頼っています。そのため、円安になると輸入コストが増加し、それが商品価格の値上がりに反映されてしまうというわけです。

■内装材値上げの現状

世界的に床材などの内装材の値上げが続いているそうです。
現在、その値上げが収まる見通しはたっておらず、いつまでこの状況が続くのかという点に関して大きな懸念があります。
日本国内でも、内装材を手がけるインテリア商社などが、床材や壁紙などのほぼすべての商品価格を値上げするといった動きがみられています。
原材料、人件費、物流費など、値上げの波が止まらない状況です。

■内装材の値上げの原因

主な原因としては、次のことが考えられます。
・原油・ナフサなどの原料価格の高騰
・物流コストの上昇
・素材価格の上昇

原油の高騰が続いている主な原因は、コロナ禍によって落ち込んだ需要が世界的に回復傾向にある中で、供給側の産油国に増産余力がないため、供給が間に合わないこと、さらに戦争が与える影響や、円安も高騰を加速させている一因となっているそうです。
また、石油化学製品の基礎原料となる「ナフサ(粗製ガソリン)」 についても同様の背景から価格の高騰が続いています。
加えて、物流コストも近年上昇しています。
最も値上げが大きいとされるのが輸送費です。
輸送費の値上げの背景には、ガソリン価格の高騰や運送会社を担うドライバーの人材不足が深刻化していることが挙げられます。
ドライバーの待遇改善と人員確保のために、雇用条件などの見直しが必要となり、人件費にコストをかけるケースも多く、その分、輸送費を値上げする運送会社が出てきています。

さらに原料やエネルギーコストなどあらゆる価格上昇を背景に、内装材や塗料の素材となる塩ビ樹脂、ナイロン、溶剤、硬化剤等の素材価格も上昇していることも、内装材の価格高騰の一因と考えられます。

■内装資材値上げへ対応する方法

近年注目されている方法として「廃番品」を利用する方法があります。
廃番品とは、製造が中止された製品で、いわゆるカタログ落ちしたものです。
廃番となる主な理由として、新製品との入れ替え、販売数減少、原材料の調達困難、資材価格の高騰などが挙げられます。
床材などの内装材について廃番品を選択することで、品質を下げずにリーズナブルな価格で調達・購入ができます。

廃番品を選択するメリット
廃番品として販売されている床材等の内装材を仕入れることには、主に次の2点のメリットがあります。

・新品高品質かつリーズナブルな価格で調達できる

廃番品といっても正規のメーカー品保証の付く商品もあり、最新の商品に劣らない品質や機能を有し、なおかつ新品でありながら、廃番品ならではのリーズナブルな価格で調達できるという点は一番のメリットです。値上げの中にあっても、廃番品であれば買い求めやすくなります。

・SDGsの達成やカーボンニュートラル社会の実現に貢献

廃番品を積極的に選択することで、廃棄物を減らし、資源を活かすため、循環型の社会システムづくりに寄与することができます。
SDGsの達成やCO2の削減など環境や社会への配慮については、多くの企業で経営課題となっており、実際にそうした課題への取組みが起点となり廃番品を選択した企業事例もあります。

マイホームを中古住宅で検討される場合、リフォームに関して知識があり、価格と品質のバランスが良い工事会社を知っている不動産会社に相談してみてはいかがでしょか。
弊社では地域は限定されてしまいますが提案できる工事会社も紹介できます。また住宅購入前に知っていた方が良い「家を買うなら知っておきたい情報セミナー」やzoomでのご相談も承っておりますのでご興味がございましたらお気軽にご連絡いただければと思います。

リニュアル仲介、渡辺でした。

タワーマンションの「2つの老い」を巡る課題について前のページ

2024年6月 フラット35金利のご案内次のページ

ピックアップ記事

  1. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  2. 危険な場所は 地形図で見分ける
  3. 土地価格の相場を知る方法
  4. 立地適正化計画をご存知ですか?
  5. 買ってはいけない物件を自分でチェック

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    間取りの失敗ランキング!

    現在、自宅の建て替え計画がありますのでいろいろな雑誌を見ます。そこ…

  2. 不動産取引ガイド

    住宅購入時に気になる、検討エリアの自治体情報について?

    9月5日の日本経済新聞の朝刊に第2子以降の保育所や幼稚園などの料金を無…

  3. 不動産取引ガイド

    東京圏新路線!資産価値に直結する要素は、つぶさにチェック!

    2016年4月7日『第20回 交通政策審議会陸上交通分科会 東京圏にお…

  4. 不動産取引ガイド

    住宅地での戸建て選びのポイント

    不動産は一度購入すれば長期間にわたり暮らす、あるいは保有する資産です。…

  5. 不動産取引ガイド

    謄本の見方がわかると、購入時に何に気を付けた方が良いかがわかると思います。

    不動産登記は、土地や建物の所在、面積のほか、所有者の住所・氏名などを一…

  1. 不動産取引ガイド

    再建築不可である土地の解決策
  2. 契約関係

    不動産用語解説。「セットバック」とは?
  3. 不動産取引ガイド

    所有者不明土地の先進的な取り組み
  4. 不動産取引ガイド

    2040年には百貨店が4割減って大学が4分の1に?!
  5. 不動産取引ガイド

    防火地域と準防火地域って何が違うのかご存知ですか?
PAGE TOP