マンション

旭化成建材杭打ち問題に学ぶ家探し

旭化成建材社が杭基礎施工したマンションの問題が世間を賑わせています。

今回は、私の実体験と、このようなリスクを極力回避する為のポイントを少しご紹介したいと思います。

私のお客様が、過去に旭化成ホームズが分譲したアトラスシリーズの中古マンションの契約(購入)をする予定が決まっていたのですが、その契約日の数日前に今回の事件が発覚しました。一瞬、とても肝を冷やしましたが、幸いにして一日平日を挟んでいたので、分譲会社、施工会社に確認をして旭化成建材が基礎施工をしていないことを確認し、その後、管理会社に住人から壁のひび割れ等の相談が入ったことが無いかをヒアリングを行ない、特にこれまで問題が生じていないことが確認できたので、お客様にリスクのあるものを買わせてしまうこともなく済みました。

購入時にこのようなリスクを回避する為に、まずは、不同沈下について少し一般的なご説明をさせて頂きます。

不同沈下は地質や載っている建物の重量等の影響で不揃いに沈下し、建物に損傷を与えるものです。(詳しくはインターネットで不同沈下を調べると沢山説明が出ていますので、ご興味ある方はご覧下さい)

発生しやすい場所の例としてよくあげられるのが、もともと傾斜地だったところを、切土や盛土のような造成をして宅地です。このような場所は、地質が不ぞろいになることが多く、その結果、沈下も起きやすくなります。

以前に私が中古住宅用の地盤保証の商品を検討した際、新築での地盤保証サービスを提供している会社複数社にヒアリングしたところ、「地盤沈下が発生しやすいのは、建物を建ててから数年で、保証が切れる10年以降は、沈下が起きる可能性は極めて低い」というのが共通見解でした。今回の事件が発覚した『パークシティLALA横浜』は、2007年12月築で、東日本大震災があった2011年の頃には徴候が現れていたようです。 今回お客様が買うことになっていたアトラスシリーズのマンションは丁度築10年くらいで、 もし、地盤に起因する沈下が生じるのであれば、既に何かしらの徴候があって然るべき時期です。

新築の物件は“新品”であり、一定の検査をクリアしている訳ですから、なんとなく安心感があるのはうなづける部分です。しかし、しばらく時間が経過してみないと不具合が生じるか否かが分かりづらい「地盤」や「雨漏り」等については、既に建ってから何年も経過している中古物件の方が、実物で状況を確認できるので、安心といえるでしょう。もちろん、中古物件の内見時に、怪しいひび割れがないか等をチェックすることが重要です。 私も日頃から内見時には外壁のクラック(ひび割れ)がないかを確認しておりますが、マンション全体を見られるわけではないので、マンション管理会社へのヒアリングは今後も重要な調査項目ですし、事件以降は、内見時の外周チェックを従来以上に気を付けるようにしています。
以上、リニュアル仲介本部 パイロット店 エージェント 石川でした!

———————————————–

「資産となる不動産を真剣に考えるセミナー」

・マーケットを知る
・資産性とは何か
・リスクを考える
・減税・補助金
・私達ができること

↓ 詳細はコチラ ↓
http://www.rchukai.com/#!seminar/c1vy0
11月21日(土)12月19日(土)

———————————————–

『リノベーション EXPO JAPAN』前のページ

駅チカの空き家、48万戸もあった!次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. 立地適正化計画をご存知ですか?
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 危険な場所は 地形図で見分ける
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    老朽マンションの建て替えを促すための『敷地売却制度』とは?!

    国土交通省は老朽マンションの建て替えを促すため、敷地売却のルールを緩和…

  2. 不動産取引ガイド

    築年数でリフォーム金額を想定!?~木造戸建て編~

    中古住宅を検討する上で不安になるのがリフォームの金額です。住宅の状態は…

  3. 不動産取引ガイド

    平成12年5月以前の木造住宅 90%超の住宅が耐震性不足!?

    4月14日に発生した熊本地震、被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し…

  4. 不動産取引ガイド

    不動産の所有者が認知症になってしまったら?

    特別養護老人ホームの入居者待ちや、老々介護の問題など、様々な分野で高齢…

  5. 不動産取引ガイド

    素敵な部屋を作る為に、インテリアを構成する要素をチェックしましょう!

    突然ではありますが、インテリアに影響を与える4つの要素をご存知でしょう…

  6. 不動産取引ガイド

    家の中に危険がいっぱい! (幼児編)

    最近我が家では、1歳10か月の小さなお客様が来るようになりました。…

  1. 不動産取引ガイド

    家庭で蓄電池を持つ時代?!VPP(仮想発電所)をご存知ですか?!
  2. 不動産取引ガイド

    人工知能(AI)を活用した住宅査定!地価算出データを公開?!
  3. 不動産取引ガイド

    「増築未登記」など、現況と登記の相違に注意
  4. 不動産取引ガイド

    台風や大雨の影響
  5. 不動産取引ガイド

    ネットで取れる「登記簿謄本」
PAGE TOP