中古木造住宅を安心して取引するためには、物件購入判断材料として、改修が必要なのかどうか、また改修が必要な場合はその改修費用を把握する必要があります。これらの情報を得るための手段が建物インスペクションです。今回は木造住宅購入時のインスペクションについてご説明いたします。
中古住宅購入時に建物インスペクションが必要な3つの理由。
中古住宅購入時には建物インスペクションが欠かせません。理由は3つあります。
<理由1>住宅の性能を確認する
中古住宅は住まわれ方によって状態が千差万別です。中古を買ったもののすぐに雨漏れが…という失敗例は性能の確認を行っていないからです。
<理由2>改修費用を把握する
中古住宅購入時は何らかの改修費用が発生すると想定した方が現実的です。それではいくらくらい予算を用意しなければならないのか?その改修費用を知るためには建物調査が必要になります。改修費用を把握しないままに取引を進めてしまうと、いざ建物調査を行って後から多額の改修費用が必要な物件であることが判明してしまう、なんて事態にもなりかねません。
<理由3>適切な事業者なのか確認する
中古住宅の取引には様々な支援制度が絡みます。不動産の取引にあわせて建築士との調整が必要になります。建物インスペクションを依頼するとまずその不動産会社に任せても良いかどうかがわかります。不慣れな方は何が何でも売買契約を先行させようとしますし、信頼できる仲介会社は買主様が判断すべきリスクをきちんと提示してくれるからです。また、リフォーム事業者選びとしても建物インスペクションは有効な機会となります。
取引の際には1回の現場検査で同時に依頼するとお得です。
国による住宅取得支援制度の利用を考える場合、建築士による証明書が不可欠です。住宅ローン減税には「耐震基準適合証明書」が必要となりますし、フラット35を利用する場合は「フラット35適合証明書」が必要になります。瑕疵保険をかけたい場合は建築士による「現況検査」が必要になります。
(耐震基準適合証明書についてはこちらもあわせてご覧ください)
これら証明業務には現場検査が不可欠です。しかし重複している検査項目もあり、実は1回の調査ですべて対応することが可能なのですが、個別に調査を依頼してしまうと、建築士が動くたびに費用が発生してしまいますので、取引に際には1回の現場検査で必要な証明業務をすべて対応してもらうと断然お得なのです。
建築士であればだれでも良いわけではありません。
建築士の主たる業務は設計業であり、建物調査や証明書発行業務はほんの一部なのです。ですから建築士と言っても様々です。下表は中古住宅購入時に頼むべき建築士の最低条件です。また、どれだけ優秀な建築士であっても、中古住宅の流通に明るい建築士でないと取引がスムースに進まないどころか、住宅購入者が不利益を被る恐れもあります。
リニュアル仲介では不動産流通にも詳しい建築士をご紹介しております。また、リニュアル仲介本部が取引のスケジュールを管理して進めるので、必要なお手続きは都度ご案内いたしますので、安心してお任せください。