中古住宅を検討する上で不安になるのがリフォームの金額です。住宅の状態は物件によるので、一様にいくら、と値段が出せません。また、耐震や劣化改修工事は建物インスペクションを実施しないと必要かどうかすら判断できません。
とはいえ、まったく不明瞭な状態では安心して取引を進めることができません。ここでは住宅の築年数で必要なリフォームを判断する目安をご紹介します。
◾︎2000年6月以降の建物
いわゆる築浅物件と言われるものです。耐震や劣化改修工事はあまり懸念しなくても良いと思われます。キッチンやお風呂などの住宅設備も状態が良ければ交換工事を行わなくても住み続けることができます。
築浅物件は競争率も高いので、早く決断する必要があります。本来であれば売買契約前の建物インスペクションが必要ですが、調査結果を待つ間に他の人に売れてしまったら元も子もありません。場合によっては売買契約後の建物インスペクションを許容する必要があります。
◾︎築20年以上の木造戸建て(新耐震)
この時期の物件は、耐震や劣化改修工事が必要と判断されるケースが多いです。
従ってある程度リフォーム費用を想定して取引を進める必要があります。場合によってはリフォーム費用を住宅ローンと一体にして組むことも検討した方が選択肢が広がります。
ポイントは建物インスペクションです。余程のことがない限り、売買契約前に調査を行って、必要な改修費用を把握することが大切です。
また、キッチンなどの設備の状態が良くても、型式が時代遅れのケースが多いので、交換工事を前提に検討した方が現実的です。
この時期の物件のポイントは、リフォーム会社が限られるということです。建築士事務所登録を行っているリフォーム会社でなければ、住宅ローン減税などの各種補助制度が利用できません。何より住宅の性能向上に関する工事を実施する以上、建築士による確認、保証がないまま工事することは危険ですのでオススメできません。
◾︎旧耐震の物件
旧耐震の物件は耐震や劣化改修工事費用が多くかかる傾向があります。住宅設備も全交換が前提です。場合によっては建て替えた方が安いケースもあります。
まずは資金計画が大切です。工事費を含めて住宅ローンでまとめることができれば、現実的な選択ができます。(そもそも住宅ローンの対象にならない物件も考えられます)
また建物インスペクションも大切です。建物の状態を正確に把握し、まだ使うことができる物件なのかの判断が必要です。
当然ながら、この時期の建物は建築士がいないと話になりません。目先の金額の大小よりも、耐震改修工事の実績のあるリフォーム会社を選択することが大切です。
いかがでしょうか。
築年数で大まかに3区分してみましたが、取るべき対策がだいぶ異なることがお判りいただけたと思います。
築20年を超えているのに建築士に頼んでいない、旧耐震なのに安く済ませたい、など無理な要求を通そうとすると、それだけ取引のリスクが上がるということに他なりません。
安心して中古住宅を購入するにはセオリーがあるのです。
リニュアル仲介の稲瀬でした。
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