全国的に空き家が増え続け、賃貸物件がダブついています。日銀のマイナス金利政策が賃貸住宅建設を後押しし、首都圏でも特定の地域に集中して賃貸住宅が建設されている実態があります。不動産業への新規貸し出しは2009年以降、国内銀行、信用金庫ともに拡大を続け、銀行の新規融資は、2015年は10.7兆円、2016年は12.3兆円と2年連続で(バブル期の)1989年の10.4兆円を超えています。
日銀はつい今年の7月に「賃貸住宅市場が危ない」と警鐘を鳴らしました。野村総合研究所は、この勢いのままいくと、賃貸住宅の空き家率は2033年には空き家数は約2166万戸、空き家率は30%を超える恐れがあると長期予測を公表しました。
これは決して、レオパレスや大東建託といった賃貸用の物件に限らず、分譲マンションにも影響してくる話です。
多くの分譲マンションでは、現在子育てを終えた高齢者世帯が増えています。その子どもたちは親元を離れ、独立して自分の住宅に住んでおり、その為、相続が発生すれば、自分たちが移り住むよりも、売却か賃貸かという選択になりやすい。
少し前まではどの部屋も所有者が住んでいた分譲マンションも、賃貸マンション化していくことになるものが増えると予想されます。高齢化したマンションなどには、若い世代も好まず、空室が増えマンションスラム化の入り口になりかねません。
都心で駅近なら、現役世代で満室ということが想定できますが、郊外の駅から徒歩15分以上もあるマンション、または郊外の駅からさらにバスに乗らなければならないとなれば、より状況は厳しくなるのが目に見えています。
よって、マンションの立地条件はかなり重要といえます。今後の人口減、家余り時代を考慮すると、資産価値が長期にわたって落ちにくいマンションは非常に少なくなってくると言わざるを得ません。
マンションに限っては、最低でも「徒歩10分以内」は死守したいところ。
エリアの選定で今後の資産価値も大きく影響するだけに、自分たちの都合だけで立地を考えるのではなく、今後の時代をきっちり見据えて購入を検討していきましょう。
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