不動産取引ガイド

再建築不可である土地の解決策

販売チラシを見ていると、たまに目を引く安さの物件があったりしますね。

「コレは!」と思って詳しく調べてみると、「再建築不可」との記載があった、というのは良くあるケースです。

この「再建築不可」を解消する方法はあるのでしょうか?

手続き面での話をしてみれば、「再建築不可」は解消可能です。

1.道路に接道するための土地を追加で買う

再建築するためには、建築基準法上の「道路」に2m以上接していなければなりません。

そこで、本地と道路の間にある土地をその所有者から譲ってもらう、という方法があります。

この方法については、土地の形状にもよりますが、土地取得費がかかってしまうため、コストの面で話が進まないケースが多いかと思います。

資金力があって、再建築不可土地とその隣地をまとめて購入できてしまう場合には、有効な方法です。

2.道路位置指定を申請する

アスファルト舗装もされており、排水施設も整っていて見た目は道路になっているが、建築基準法上の道路ではない、という道路に接道している場合もあります。

こういった場合には、その道路を建築基準法上の道路として「指定」してもらうという方法があります。

これが「道路位置指定」制度です。

対象の道路について、幅員や隅切りの有無、道路自体の長さ、アスファルト舗装や排水施設等、諸々の条件がありますが、これらを満たしている場合には、管轄の行政機関へ「道路として指定して欲しい」という申請をすることができます。

ただ、こちらの方法に関しても、道路の所有者はもちろん、その隣接地の方や、抵当を付けている金融機関等、多くの利害関係人の協力(書類への捺印)が必要になってしまいます。

もちろんその道路が建築基準法上の道路として認められれば、土地自体の価値も上昇しますので、関係者は皆メリットを受けることになるのですが、その労力や時間の部分で上手くいかないケースもあるようです。

また、隣地の名義人に相続が発生していて、所有者が特定できないケースもあります。

いわゆる所有者不明土地問題ですね。こういった場合には、そもそも誰から捺印をもらえばいいかもわからない、という話になってしまい、やはり手続きがストップしてしまいます。

このように、「解決策」自体は手続き上存在していますが、机上論であって、現実的ではありません。

行政側で、もっと簡便に位置指定できる制度を設ける等の施策がない限り、再建築不可土地を解消することは難しいのが現状です。

今後の人口減・家余りの状況を考えますと、地方や駅からアクセスの悪い土地になるほど、道路のようなインフラについては制度面・費用面からも手当が薄くなることが予想されます。

再建築不可物件に関しては、解決方法の目途が立っている場合や、再建築不可のまま利用する方法がある場合を除いて、一般の方は手を出さない方が良いかもしれません。

購入検討の物件が相場よりも明らかに安い場合には、リニュアル仲介のバイヤーズ・エージェントへ是非一度ご相談ください。

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