お金・ローン・税金

「苦しい資金計画」

資金計画はとても大切です。
家探しを「始める前に」おさえておかなければいけません。
総額(物件・諸費用・リフォームの合計)が同じでも、買える物件と買えない物件が存在します。
特に、頭金が潤沢に無い方は、勤務先、年齢、年収などの状況次第では、かなり選択肢が狭まってしまいますので、住宅ローンの事前審査を済ませるのはもちろんのこと、早めに計画を立てておく必要があります。

今回は、この記事を書いている2018/9/6現在で売りに出ている実際の物件を例にとって、「苦しい資金計画」について、ご説明したいと思います。

さて、皆さんの自己資金(=頭金)が300万円だとします。下記リンクの1、2のどちらが苦しい資金計画になりそうでしょうか?ポイントになるところを赤線で囲いました。
(私の書きぶりから答えを予想しないでくださいね。)

≪物件の販売図面≫
https://rchukai.jp/c_doc/09060001.pdf

1番の物件は、物件価格が4,200万円、リフォームが250万円必要(※)ですので、合計で4,450万円。
これに、諸費用の300万円(物件価格の約7%)を加算して、総額で「4,750万円」です。

つづいて2番の物件は、いわゆるリノベ済み物件で、物件価格が4,597万円。
リフォームは要りませんから、これに諸費用の320万円を加算して、総額で「4,920万円」です。

総額では、2番の物件の方が高くなります。また違う要素として、築年数も2番の方が古いことが分かります。どちらの物件の方が、購入資金を用立てるのに苦労しそうでしょうか?

私の経験則ですが(私の書きぶりからもお分かりになる通り)、1番の物件の方が、恐らく資金調達に苦労します。
理由は、住宅ローンを貸す「銀行の気持ち」です。
下記リンクの回答図をご覧ください。

≪回答図≫
https://rchukai.jp/c_doc/09060002.pdf

銀行の気持ちとしては、物件価格分の融資はしたいと思っているのですが、諸費用やリフォーム費用は、あまり積極的には貸したくないと思っています。
物件は担保価値がありますが、リフォームや諸費用には担保価値がなく、脂身の部分に融資をしているような感覚です。
この部分は、ローン審査がシビアになります。

今回のケースでは、自己資金300万円に対して、1番の物件の場合には、諸費用とリフォームで550万円ですので、250万円分の脂身の融資をしなければいけないことになります。
この部分の融資がでないと、お金が不足することになり、買えない物件となってしまいます。
仮に、物件価格の値段交渉が上手くいったとしても、脂身部分の金額は変わりませんので、結局お金が足りないという結果になります。

一方で、2番の物件の方は、図をご覧になっていただくとお分かりになる通り、まだ脂身部分が20万円残ってはいますが、1番と比べれば、ずいぶんと少ないので、銀行の審査のハードルも下がり、こちらの方がうまくいく可能性が高いと思われます。
1番も2番も、中古にリフォームが行われる(行なわれた)のには違いがないのに、ローン審査のときには違った見方をされてしまいます。

実際のローン審査では、お客様の勤務先、年齢、年収、勤続年数などによって、状況が変化します。
例えば、公務員や上場企業勤務といったお仕事の場合には、脂身部分もゆうゆうと借りられることもあります。また、「脂身部分の融資ができない」という回答ではなく、「融資はしますが、保証料を余分に頂きます」というような回答がでることもあります。この辺りはローン審査をしてみないと分かりませんので、「お住まい探しを始める前の、できるだけ早い段階で」準備をしておく必要があるのです。

もちろん、私達にご相談いただければ、ローン審査の手配や資金計画の詳細のご説明など、ワンストップでお手伝いさせていただきます。

※実際に内見したわけではないので、1番のリフォームについては仮定のお話です。実物はリフォームが要らないかもしれません。

以上、リニュアル仲介本部パイロット店 エージェント石川でした。

自動運転やロボ活用を行う予定の『品川新駅』 JR東日本の戦略的都市計画について前のページ

耐震基準適合証明書と住宅ローン減税 【2×4の場合】次のページ

ピックアップ記事

  1. 土地価格の相場を知る方法
  2. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 立地適正化計画をご存知ですか?
  5. 危険な場所は 地形図で見分ける

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    住宅ローン 固定金利と変動金利、どっちがお得?

    大手銀行5行は、2月から適用する住宅ローン金利について、固定金利(10…

  2. 不動産取引ガイド

    道なのに道路ではない⁉

    前回、自宅の建て替えの為土地の調査をしましたが市町村の道路課で建築基準…

  3. 不動産取引ガイド

    床面積に隠された陰謀? 課税は多めに、減税は少なめに

    不動産にまつわる税金に関係して、大きなポイントとなるのが「床面積」です…

  4. 不動産取引ガイド

    マンション管理費・修繕積立金の値上げ問題が深刻化

    2024年から2026年にかけて、日本では食料品や電気料金の値上げが続…

  5. 不動産取引ガイド

    不動産の価格交渉で重要なポイント

    1. 不動産市場の価格との比較まず大前提として、その物件が「相場よ…

  6. 不動産取引ガイド

    配線計画

    新しい住まい探しは手に入れてからもくらしの変化はあり,どのように変…

  1. 不動産取引ガイド

    耐震基準適合証明書と住宅ローン減税 【旧耐震の場合】
  2. 不動産取引ガイド

    誰でもわかる!木造住宅の耐震診断 ~必要耐力その他~
  3. リニュアル仲介通信

    物件情報量で事業者に大きな差はありません!住宅購入は事業者選びが大切です。
  4. 不動産取引ガイド

    東日本大震災から10年
  5. 不動産取引ガイド

    新築マンションなのに、契約解除という事態がおこります。
PAGE TOP