床面積の上限は、建蔽率や容積率で制限されるため、小さな土地に一定以上の床をつくることができませんが、地下室や小屋裏を利用すれば、小さな土地でも床面積を増やすことが可能となります。
住宅の場合、地下室については、地上部分の50%までは延床面積の計算の対象外となります。たとえば、住宅の敷地が100㎡で、基準容積率が100%の場合、延床面積の限度は100㎡となりますが、これに地下室50㎡まで加えることができます。
したがって、合計で150㎡の住宅を建てることが可能となります。
ただし、地下室については、地盤面からの高さが1m以下であること、地盤の中に天井高の1/3以上あること、及びドライエリア(※)があることが条件となります。
※ドライエリア:地下室を持つ建築物の外壁を囲むように掘り下げられた空間のこと。
小屋裏物置については、直下階の床面積の50%までなら床面積に加算されないので、「階」としても扱われません。天井裏や床下も同様です。
ただし、天井の高さが1.4m以下で、物置などの居室以外での利用に限られます。
なお、自治体によっては、固定された階段やはしごは不可となる場合もあるので、お気を付けください。
直下階の床面積の50%を超える面積にしたり、天井高を高くすると、「階」とみなされるので注意が必要です。
すなわち、2階建て住宅でも3階建てとして扱われ、日影規制、防火規制、構造規制などの規制が増える事になります。
建築基準法は、基本的に3階以上だとかなり厳しくなってしまいます。
また、高さに対する制限にも注意する必要があります。第一種・第二種低層住居専用地域・田園住居地域では、10mまたは12mを超える住宅は建てられません。
そのほか、斜線制限による規制で建物の高さに制限がでる場合もあります。
このように、絶対高さや斜線制限によって、床面積を増やせないこともあります。
なお、建築面積、延床面積といっても、法律上の上限面積と施工上の面積は異なりますので、役所に提出する面積と工事費基礎となる面積は違ってきます。
さらに、固定資産税などの税金の計算となる床面積は、登記に記載された面積となりますが、この場合には不動産登記法上の床面積の算定方法となりますので、これもまた異なってきます。
床面積を増やせる方法もあるのでご紹介しましたが、実際に検討される際には、高さ制限や斜線制限などの対象となっていないかを、その地域の用途地域から確認しておくと良いかと思います。
リニュアル仲介、前田でした。