2018年は災害の多い年でした。2019年1月3日に熊本市内において、震度6弱の地震が発生し、今年はどのような年になるのか少し不安を持っています。
そもそも住宅は大規模災害に対応した構造強度に加え、電気やガスが途絶えたとしても生活が維持できるような適応力が注目されています。
その中で2019年に住宅購入を検討されている方に少しでも近況の不動産市況について把握してもらいたく、ご覧いただければ幸いです。
〇地価は全国的に上昇ぎみ(戸建て住宅の価格は横ばい)
2018年9月18日に、平成30年の都道府県地価調査(7月1日時点の地価)が国土交通省より発表されました。詳細については下記HPをご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000091.html 国交省『平成30年都道府県地価調査』より
平成29年7月から1年間の地価の動きは、全国平均では、全用途平均が平成3年以来27年ぶりに下落から上昇に転じたようです。
用途別では、住宅地は下落幅の縮小傾向が継続しており、また、商業地は2年連続で上昇し、上昇基調を強めているようです。
東京・大阪・名古屋の三大都市圏については、住宅地、商業地とも各圏域で上昇基調を強めており、さらに地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では三大都市圏を上回る上昇を示しています。
〇平成30年都道府県地価調査で特徴的な上昇が見られた地点のご紹介
東山5-1(平成30年7月1日時点の地価は2,170,000 円/㎡で、前年比29.2%の上昇)
京都市の八坂神社前の祇園交差点近辺に置かれている地点です。
観光客でにぎわう四条通の祇園町では、外国人観光客増加により、店舗等の出店意欲が強いことから、商業地として全国2位の上昇率となり、TV報道もされていましたので、ご記憶にある方も多いかと思います。
荒川-2(平成30年7月1日時点の地価は557,000円/㎡で、前年比10.1%の上昇)
東京都荒川区の西日暮里駅近辺に置かれている地点です。東京都区部北東部では、上野東京ライン開通など都心方面へのアクセスの良さから住宅地としての選好が高まっているようです。
特に鉄道駅徒歩圏では強い需要が見られることから、東京圏として住宅地で1位の上昇率となりました。
〇住宅地も下落幅の縮小傾向が続いている?!
住宅地で上昇率が最も大きいのは観光需要に沸く沖縄県が4%、次に東京の2.4%。
住宅価格の動きを見ると、新築マンションは全国的に上昇傾向。中古も新築相場に連動してゆるやかな上昇が続いているようでうす。
建築資材や人件費の高騰から建築コストが上昇しており、また都市部では地価上昇もあって、今後も新築マンションの価格が急激に下がる可能性は低いと見られているようです。
ちなみに、マンションの建築コストは2012年から右肩上がりに上昇を続け、1平米あたりの工事費単価が2011年約18万円だったのに対して、2017年は26万円となっています。
それに比べ、新築戸建て住宅はマンションに比べ、建築コストの大きな変動は少ないと見られており、価格も安定的な傾向があるようです。
新築戸建て住宅の建築コストは2011年から2017年まで1平米あたり15万円となり、横ばいで安定しています。
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/jutaku_list.html 国交省『住宅着工統計』より
また2019年は消費増税が予定される年となり、過去を振り返ると消費税アップ前の駆け込み契約や急ぎの引き渡しも増えそうです。
また、人生100年時代と言われ、平均寿命が年々延び、定年の延長などの議論が取り沙汰されている様子を見れば、老後の生活を見据えた『資産となる不動産購入』が非常に重要と言えそうです。また不動産購入の際には誰にでも貸せたり・買い手が付くような『利用価値』の高い不動産購入が非常に重要と言われます。
2019年の不動産購入を失敗に終わらせない為にも、土地価格や不動産業界のトレンド等を把握していただき、資産価値の高い不動産購入に繋げていただければ幸いです。
法人営業部 犬木 裕