不動産取引ガイド

止まらない人口減少

先日総務省がまとめた人口推計の記事が出ていました。

総人口1億2644万3000人、減少率0.21% 18年10月時点
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43664250S9A410C1MM8000/

これまでの予想通り、着実に人口減少が進行しています。
全体で0.21%減ではなく、その構成も重要で、極端な少子高齢化が進行していて、生産年齢人口が50年以来最低というのは見過ごせないデータです。

移民を受け入れる政策が具体的にならない以上、例え今から全国的なベビーブームが発生したとしても、住宅産業に影響するまでには30年近くかかってしまいます。
別の記事で人口が増えた県、減った件がまとまっていたのですが、人口が減ったのは40道府県に渡ります。
これからの住宅購入は、人が減り続ける社会を前提に検討しないと、将来大変な問題に巻き込まれることが懸念されます。

東京への人口集中ペース鈍る 増加率3年連続で低下
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43692780S9A410C1EA4000/

人口問題は様々な社会問題の根っこです。
労働力不足も空き家問題も人が減ることに起因しています。労働力問題は生産性向上などの対策が講じられていますが、後継者不足による倒産が増えるなど、やはり人が増えないと解決できない問題が多いと思います。

住宅はもう少し深刻です。
既に顕在化されているのが、後期高齢期の介護問題です。核家族化が進行した結果、高齢者向け施設に頼る以外の選択肢がない方が多いです。
この時に親世帯の不動産を資産として活用できれば、選択肢はかなり豊かになるのですが、それらの制度はご家族の資産状況に加え、住宅の状態も影響するため、様々な制度が検討されているのですが、いま一つ一般化しない状況です。

続いてやってくるのが相続問題です。
兄弟(親戚)が実家に帰らない以上、実家を処分して相続人で分けるというのがこれまでの考え方ですが、実家が売れなければ相続人で分けるのもすっきりしません。
中古住宅を引き継いでくれなくても、解体してそこに新築する人が現れることがこれまでは期待できたのですが、若い人が集まらないことには、不動産は流動化できません。
売りたくても売れず、仕方なく「空き家」になる不動産が、今後ますます増えることが懸念されます。

全国的に増加が見込まれる「空き家」が、さらに様々な社会問題を引き起こします。
20件に1件くらい空き家がある程度なら、不審者が住み着いてもその地域の住人が気が付くことができます。
もしこの割合が20件に5件、20件に10件と増えた場合はどうなるでしょうか?

今私たちが考えている常識が成立しなくなります。

そして、そういった今後存続が難しい町は、人口の推移を見れば明らかです。人口減の住宅問題はこれからではなく、すでに先が見えた問題です。
生まれ育った家だとか、ふるさとであるとか、郷土愛とか、そういったことは、社会が存続していることが前提です。
人が減るということは税収が減るということで、自治体も住む場所を集約していかないと、道路などのインフラを維持することすら困難になります。

これから家を買う人は街選びが最も大切です。
同じ県内でも色が出ます。
人口動向や自治体の方針をよく見て、30年後でも人が集まり続けて、いつでも住宅を資産化できる街を選ばないと、住宅を購入した時点で将来の選択肢を大きく狭めてしまう結果になりかねません。

夢のない話題で申し訳ないのですが、住宅購入は「買い方」が重要です。
これまでの日本が作ってしまった負の財産を引き継がないよう、慎重に検討したいものです。

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