不動産取引ガイド

自分の土地だと思っていたら、実は他人の土地だった!?土地境界と時効取得

土地購入時に気にしなければならないことの1つに、土地の境界問題があります。

どこまでが自分の土地で、どこからが隣の方の土地になるのでしょうか。

確認方法の第一は、現地の境界標です。

境界杭や境界鋲などがきちんと目視できるのかを確認する必要があります。

場合によっては、境界標が地中に埋まってしまっている、工事の際に紛失してしまっている、といったこともあります。

もし境界標が確認できないようであれば、隣地の方と立会のうえ、境界標の復元が必要になると思います。

次に確認する方法は、法務局で公図・測量図を取得することです。

公図や測量図は、法務局に保管された土地の境界を示した地図になります。

ただ、こちらの資料に関しては、大昔に作成されたままになっていて現況と一致していない、ということもあります。

その場合には、改めて測量をして、地図を書き換える作業が必要になります。

こうした確認の際に問題となるのが、現地の境界と地図上の境界がずれているケースです。

ずっと自分の敷地だと思っていた土地が、実は他人の名義だった、などということもあります。

この場合には、当該土地を譲ってもらう、買い取る、などの解決方法を図ることになります。

しかし、中には話し合いでは解決できず、裁判などに発展してしまうこともあります。

裁判になった場合の決着方法のひとつは、「時効による所有権取得」です。

民法では「善意・無過失で平穏かつ公然に10年間占有していた場合には、所有権を取得する」という規定があります。

「善意・無過失」とは、その土地が自分のものだと勘違いしたことに、悪気もなく過失もなかった、ということです。
例えば、購入した当時から自分の土地だと説明されていた、といったケースです。

その他にも「平穏かつ公然」とした条件もありますが、こうした要件が証明できれば、裁判所に所有権を認めてもらうことができます。

ただ、こうした裁判は費用や時間もかかってしまいます。
出来る限り、関わりたくない事例ですね。

まずは、購入を検討する際に、しっかりと境界や地図を確認し、トラブルの要素が含まれない物件を見抜くようにしましょう。

弊社が提供する「SelFin」では、価格の妥当性や流動性などを判定することはできても、法律リスクや建築リスクなどまでを判定することはできません。

あくまでも「SelFin」は目利きの第一歩としてご利用いただき、気になる物件は信頼できるエージェント(不動産のプロ)にご相談ください。

命を守る自宅の耐震補強工事は「100万円台」がカギ?!前のページ

2019 年10月度の不動産相場次のページ

ピックアップ記事

  1. 危険な場所は 地形図で見分ける
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    不動産購入前に注意したい!水没危険地域の実態!

    住宅の水没リスクがある地域への人口流入が止まりません。河川の洪水で住宅…

  2. 不動産取引ガイド

    海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 14 【ローン正式審査~決済編 3/6】

    「海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し」シリーズ。今回は、「2.各種証…

  3. 不動産取引ガイド

    キッチンに電源が足りない問題

    電子レンジ、冷蔵庫、トースター、炊飯器…。昔と違ってキッチンで利用する…

  4. 不動産取引ガイド

    お願いですから耐震を軽視しないでください!

    今年も東日本大震災の日がやってきました。木造住宅の耐震化の取り組み…

  5. 不動産取引ガイド

    保有不動産の資産価値を使い切る活用法

    住宅金融支援機構が提供する、60歳以上を対象にした住宅融資保険付きリバ…

  6. 不動産取引ガイド

    内水氾濫・外水氾濫をご存知ですか?!不動産購入時に知っておきたい情報について

    災害には水害や土砂災害など大まかにいくつかの種類に分けることができます…

  1. マンション

    古いマンションは今後どうなっていく?
  2. 不動産取引ガイド

    2021年 今年の不動産市況を振り返ってみて
  3. お金・ローン・税金

    2019年10月 フラット35金利のご案内
  4. 不動産取引ガイド

    格安物件の落とし穴
  5. 不動産取引ガイド

    プロが教える土地と住宅のチェックポイント
PAGE TOP