不動産取引ガイド

新型コロナウイルスの影響により、住宅・マンションの不動産価格はどこまで下落するのか?

新型コロナウイルスの影響により、世界経済がかつてないレベルで毀損してしまうのではないかといわれています。世界大恐慌の再来とまで言われています。それに伴い住宅価格も大幅に下落するのではないかという声も聴きます。以前の平成バブル崩壊のときのように半値近くまで値崩れしてしまうのでしょうか?本日はその状況を解説したいと思います。

■バブル崩壊時の状況と新型コロナウイルスの影響により、不動産価格にどのような違いが発生するのか?!

1990年前後のバブル期は、「必ず不動産価格は上がる」という土地神話の話も多くあり、多くの国民が疑いもせず、誰もが信じていたようです。私はバブル期を経験していませんので、そのようなお話を耳にします。購入すれば必ずキャピタルゲインが得られると考えられていたため、投機的に住宅を買う人もいたようです。そのような状況もあり、バブルがはじけたあと、不動産価格は下落し、価格調整が完了するのは2000年ごろまでかかったようです。

そのバブル期の状況と比較すると、この新型コロナウイルスの関係での不動産市場とはあまり関係性がなさそうです。しかし、経済への影響が大きく、長期的にみた場合、不動産価格の下落はある程度発生するような状況だと思います。

■株価から推察する、今後の住宅・マンションの不動産価格について

本年の3月中旬から4月半ばにかけて、日経平均株価は一時2万円を割り込みましたが、6月下旬の株価は22,500円台を推移していますので、いきなり住宅価格(不動産価格)が下がるというのは考えにくいです。リーマン・ショック時のような株価下落、すなわち日経平均が1万円を割り込むようなことがなければ、戸建ての住宅価格(不動産価格)が一気に下がるというような状況にはなりにくいと思われます。

一方、マンションの不動産価格についても、株価は4月後半あたりから回復してきたこともあり、現時点では一気に下落するという状況ではないと思われます。

■新型コロナウイルスによる影響で、戸建て住宅・マンションの不動産価格の下落は1割程度?!

新型コロナウイルスの影響は長期的な対応が必要であり、中期的には戸建て住宅は、仮に下がったとしても、1割前後の住宅価格(不動産価格)の下落といったところと予想される方が多いようです。

一方、マンションの不動産価格は必ずしも実需不動産だけで価格形成されていたわけではなく、投資不動産などを考慮する必要があります。近年の共働き世帯の割合の増加や、マンションへの選好が高まったと思われるため、戸建て住宅の水準にまで下がることはないと予想する方もいます。

今回の新型コロナウイルスは、景気後退の度合いが激しく、未だ終息の目途がたっていません。長期化が続くと、企業の給与体制や雇用が維持できないという事態が発生し、その規模が拡大する場合は、上記のようなお話だけの不動産価格の下落では済みません。株価を見る限りではそこまでの状況にはなっていませんので、平成バブル崩壊の時のような暴落とはならないと多くの専門家も判断されているようなので、今後の住宅購入の参考にお役立て下さい。

法人営業部 犬木 裕

『すまい給付金』制度について前のページ

不動産を捨てる!空地・空き家問題の解決に向けて次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 立地適正化計画をご存知ですか?
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    マイホーム購入に伴う税金はどんなものがあるのか?

    不動産を購入する際には、初期の費用としていくつかの税金が発生します。こ…

  2. 不動産取引ガイド

    新築マンションなのに、契約解除という事態がおこります。

    先日、報道にありました、問題となっているのは、東京・文京区の静かな住宅…

  3. 不動産取引ガイド

    中古住宅のキッチンは住み始めてからのカスタマイズがおすすめです

    家を選ぶときに重要な検討項目になるのがキッチンです。最新式のシステ…

  4. 不動産取引ガイド

    今後の住宅ローンの金利はどうなる?

    住宅金融支援機構が提供する「フラット35」の金利は、2016年マイナス…

  5. 不動産取引ガイド

    「雨漏りリスク」のある屋根は重大トラブルの元

    今回は建物の防水についてです。これからの季節、秋の長雨や台風の…

  6. 不動産取引ガイド

    私道にまつわるトラブルとは?

    一般的に不動産購入において、「私道」には気を付けよう、と言われています…

  1. 不動産取引ガイド

    大事な老後資産 50歳になったら検討しましょう。
  2. 不動産取引ガイド

    欠陥住宅とは
  3. 不動産取引ガイド

    ホールダウン破断の衝撃
  4. 不動産取引ガイド

    「盛土」と「切土」の注意点
  5. 不動産取引ガイド

    公簿売買と実測売買の違い
PAGE TOP