不動産取引ガイド

「盛土」と「切土」の注意点

日本の国土は、山間部が多いため、もともと平坦なところばかりではなく、傾斜地を造成した宅地も数多く存在しています。そこで知っておきたいのは、盛土(もりど)と切土(きりど)です。

その言葉からも分かるとおり、盛土は元の地盤面に土砂を盛り上げたものであり、転圧(締め固め)や地盤改良工事が不十分な場合には軟弱地盤になり、強度に不安が残る場合があります。

それに対して切土は元の地盤が残るため、比較的安定しているといえるでしょう。

また、下の図の「宅地」は一つの宅地の中に盛土部分と切土部分が混在し、地盤の強度が異なることによって不同沈下の原因となることがあります。


新しく盛土された地盤は3年から5年程度で沈下や圧縮が落ち着くとされていますが、盛土の内部にコンクリート片や廃棄物、大きな石あるいは木の根などの混入があるときは、空洞ができたり木の腐植が進んだりすることによって、10年近く経たないと安定しないこともあるようです。

さらに、擁壁から1メートル以内くらいの部分は転圧不足になりがちで、部分的な地盤強度不足が生じることもあります。とくに造成から間もない時期に分譲される宅地では、十分に注意しておきましょう。

また、盛土は傾斜地だけでなく、水田や湿地などの埋立地や谷埋め盛土地などもあります。とくに大規模な谷埋め盛土地は、大地震などにより数十戸単位で崩れて流れることがあるため十分な注意が必要です。年数を経た傾斜地の盛土でも、大地震によって崩れることがあります。 国土交通省の「大規模盛土造成地マップの公表状況について」というページには、調査資料などをweb上で公表している自治体へのリンクが掲載されています。
該当する地域ならしっかりと確認しておきたいものです。

盛土や切土によって地盤面に高低差が生じた造成地、あるいは過去の埋め立てなどが考えられる造成地の住宅や土地購入を検討する際には、注意しておきましょう。現場によっては造成工事に関する図面等がありますので、場合によっては業者に資料の提示や説明を求めてみてください。ただし、工事年代が古い場合などは不動産業者による調査で関係資料を入手できないこともあります。地盤強度が気になる土地の場合には、地盤補強工事費用を見込んでおくことなども考えておくことをお勧めします。

以上、中田でした。

ヒートショックに年齢は関係なし!前のページ

民法改正により、不動産売買契約も更なる慎重さが求められるようになる?!次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 土地価格の相場を知る方法
  3. 住宅購入は不安でいっぱい
  4. 立地適正化計画をご存知ですか?
  5. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    SDGsと住まいの関係とは

    SDGsの「目標3:すべての人に健康と福祉を」と「目標7:エネルギーを…

  2. 不動産取引ガイド

    バスがなくなる街

    「路線バスは「自動運転」「電気バス」「AI」でここまで変わる(http…

  3. 不動産取引ガイド

    お金を払っても売れない物件

    ネットで面白い記事を見つけました。「マイナス180万円で購入し…

  4. 不動産取引ガイド

    ローン控除期間中に、借入金の繰上返済をする場合は、返済期間に注意

    宅ローン返済期間は、20年とか35年など、かなり長期にわたるのが一般的…

  5. 不動産取引ガイド

    【不動産ミステリー】ズレた境界標

    これはスタッフの自宅で実際に起こった珍事件です。お隣さんとの境…

  6. 不動産取引ガイド

    子育て中のママでも学べる方法

    住宅購入をご検討される方のほとんどは、まず何からすれば良いのか、どのよ…

  1. 天災・事故等

    新潟県中越地震から14年
  2. 不動産取引ガイド

    売れない住宅にしないために ~権利編~
  3. 不動産取引ガイド

    不動産売買取引における重要事項説明とは何をやるのか?
  4. お金・ローン・税金

    失敗しない不動産購入~不動産購入のチャンスだからこそ気を付けたい~
  5. マンション

    壁のヒビや床の傾きを気にする消費者が増えています。
PAGE TOP