歴史的な低水準が続いてきた住宅ローン金利に変化の兆しが見え始めております。長期金利の上昇を受けて大手銀行は固定型の適用金利を相次ぎ引き上げています。資源高や米国の利上げなどを背景にした円安が継続すれば国内の物価上昇圧力は続き、住宅ローンの金利上昇が変動型にも広がる可能性があります。これから不動産購入を検討されている方は、住宅ローンを組んで買われる方が多いと思いますので、総支払額に影響を及ぼす重要な内容です。
■住宅ローン金利が上昇したときの対策を考えていますか?!
住宅ローン金利は主に3つのタイプがあります。その3つのタイプとは金利が完済まで変わらない「全期間固定型」、当初の5年、10年など一定期間は金利が変わらず、その後に再び金利タイプを選ぶ「固定金利選択型」、半年ごとに金利を見直す「変動型」です。
固定型の適用金利は長期金利などを参考に金融機関が決めるのに対して、変動金利の多くは日銀の金融政策の影響を受ける短期プライムレートに1%を上乗せして基準金利とし、ここから一定の利率を引き下げて適用金利とする仕組みとなっています。
■よく「変動金利」と「固定金利」、どちらが良いですか?!と質問を受けますが・・・。
将来の金利上昇による負担増を避けるなら、固定型の利用が有効となります。これから新たに住宅ローンを借りる場合は、全期間固定型が有力な選択肢になると思いますし、どちらを選択するかは自己判断となります。
もちろん変動金利が過去の平均値まで上昇するとは限りませんが、金利上昇リスクにある程度備えながら金利動向を見極めたい場合は、固定金利選択型を選ぶ手段もあります。しかし、固定期間終了後に借り換えることにすれば、諸費用が再びかかる事の準備は必要です。
金利は期間が長いタイプから上昇するのが一般的です。変動型の金利が上がるころには固定金利はより高い水準になっている可能性が高く、固定型に変更したいなら早めにすることが重要です。
■金利上昇時の住宅ローンの借り換えの注意ポイントについて
あと、借り換えの注意ポイントは変動型から固定型への借り換えは月返済額が増えという事です。現在の生活費等の上昇にも配慮した返済計画が求められます。負担増を避けたいなら、残債を予定より前倒しで返す繰り上げ返済も一案となります。適用金利が上昇したタイミングで一定額を繰り上げ返済すれば元本と利息負担が減り、毎月の返済額を維持できます。いずれにせよ、金利上昇リスクは高まっている為、なるべく早く住宅購入をしたいという気持ちも早まりますが、住宅ローンの組み方も非常に重要なため、事前に家族間で話し合いを設けても良いのではないでしょうか?
今後の参考にお役立て下さい。
法人営業部 犬木 裕