不動産取引ガイド

借地権が持つ財産価値とは

先日お客様とのご相談の際に、借地は価値がないと思っていた、という発言がありました。

借地は、「売りにくい」、「借りているだけで権利はない」といったイメージをお持ちの方もいるようです。

借地は価値のある権利

たとえば、土地を借りている借地人が亡くなり、相続が発生した場合には、ご自身の建物と共に「借地権」という権利も相続の対象となります。

相続人は物理的な建物という資産を相続するだけでなく、その土地を引き続き借りて使うことができる権利も相続することになるのです。

そして、相続に伴う借地権の承継には、地主の承諾は必要ありません。

相続が発生したことを通知すれば、当然に権利が承継されることになります。

借地権の価値の計算

借地権も財産的価値のある権利ですが、その計算方法はどのようになるのでしょうか。

ひとつの基準となる数字が、「路線価」です。

毎年国税庁が公表している「路線価図」というものがあります。

https://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm

このページを参考にして、借地権の価値の目安を知ることができます。

土地所有権の7割程度の価値という設定が多いでしょうか。

借地権付き建物の市場価値

前述のように資産価値が算定される借地権ですが、その売却については一般的な所有権とほぼ同様に考えることが可能です。

借地権について、残存期間や地主の承諾、住宅ローンの利用可否といったいくつかのハードルはありますが、結果的にはその立地が全てとなります。

需要があり、アクセスが良く、建物が建てられる借地であれば、当然買い手はつきますし、売却価格も伸びやすい傾向があります。

一方で、建物が建てられない、駅から遠い、需要が少ない借地については、売却が難しい結果となります。

お持ちの不動産や、検討中の物件については、借地だからという条件だけで諦めるのではなく、信頼できる不動産エージェントに一度相談してみることをおすすめいたします。

売る時に価格が下がりやすい物件とは?(自主管理のマンション編)前のページ

住宅ローンの金利上昇の兆しあり!注意すべきポイント?!次のページ

ピックアップ記事

  1. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  2. 土地価格の相場を知る方法
  3. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  4. 住宅購入と 生涯の資金計画
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    不動産の「マイナンバー」

    マイナンバー法が施行され、個人にはそれぞれマイナンバーが付番されていま…

  2. 不動産取引ガイド

    不動産の持分

    処分や管理が複雑になるため、不動産は共有にしない方が良いとされておりま…

  3. 不動産取引ガイド

    良いマンションに出会う確率を高める“ちょっとしたコツ”

    今日は良いマンションにであう確率を高める、ちょっとしたコツをお伝えしよ…

  4. 不動産取引ガイド

    住宅ローン お得な繰上返済方法は?

    住宅を購入する場合はほとんどの皆さんが住宅ローンを組まれると思います。…

  5. 不動産取引ガイド

    マンション購入時にプロが見る注意すべきポイント(中古編)

    前回は新築マンションを検討される方の注意すべきポイントについて、解説を…

  1. 不動産取引ガイド

    増税前に不動産は買いなのか?!統計的に分析してみました!
  2. 不動産取引ガイド

    不動産購入前に知っておきたい『離婚』後の不動産について
  3. 不動産取引ガイド

    海外の玄関ドアは内開き 日本はなぜ外開きなのか?
  4. 不動産取引ガイド

    初めて住宅ローンを組む際に理解すべき7つのポイント
  5. 不動産取引ガイド

    エコ住宅からみた設備
PAGE TOP