■公共施設の集約・削減は口減・家余り時代の警鐘?!
公民館や町営住宅など公共施設の集約・削減が地域で進み始めているようです。このような情報は、これから進む日本の人口減・家余り時代に対しての警鐘と判断します。コロナ禍で広がった、地方移住も注意が必要となりますので、これから不動産購入をされる方には、今後、長く不動産との付き合っていく上での参考にお役立て下さい。また、地方では人口減少に加え、高齢化の進展で自治体の財政負担は増加が続いております。その為、地方財政が限られる以上、維持管理コストの圧縮は不可欠となっています。その数値は下記の通りです。本数値は総務省が公表している各自治体の施設面が減少した自治体割合の数値となります。2019年の資料となりますが、2016年度の比の数値となります。各自治体の公共建築物の保有面積を基に数値記載がある1279自治体の面積増減を算出したところ、2016年度から直近2019年度までに40.8%の自治体が保有面積を削減していました。都道府県別でみると、トップは自治体の66.7%が削減した秋田県だった。島根県(61.5%)、大分県(58.8%)が続いています。
■公共施設面積が減少した自治体の割合をご存知ですか?!
<2019年度 公共施設面積が減少した自治体の割合>
1位:秋田県 66.7%
2位:島根県 61.5%
3位:大分県 58.8%
4位:福井県、鹿児島県 58.3%
6位:静岡県 56.7%
7位:鳥取県 54.5%
8位:徳島県 54.2%
9位:山口県 53.8%
10位:千葉県 51.5%
11位:北海道 51.2%
12位:石川県、和歌山県、長崎県 50.0%
15位:富山県 45.5%
16位:長野県 44.6%
17位:奈良県 43.3%
18位:香川県 42.9%
19位:山形県、群馬県 42.3%
21位:滋賀県 41.7%
22位:岡山県 40.0%
23位:大阪府 39.4%
24位:宮崎県 39.1%
25位:広島県 38.1%
26位:埼玉県 37.8%
27位:山梨県、兵庫県 37.5%
29位:新潟県 36.8%
30位:愛知県、福岡県 36.6%
32位:岐阜県 35.3%
33位:栃木県 35.0%
34位:茨城県 34.5%
35位:熊本県 34.4%
36位:神奈川県、三重県 33.3%
38位:東京都 32.6%
39位:青森県 32.1%
40位:京都府 30.0%
41位:宮城県、佐賀県 28.6%
43位:高知県 28.0%
44位:愛媛県 26.7%
45位:福島県 22.5%
46位:沖縄県 20.6%
47位:岩手県 19.0%
先行するのは秋田県で、およそ7割の自治体が保有面積を減らしたようです。公共施設は1970年代に多く造られ、改修や建て替え時期が一斉に到来しています。最も規模が大きい東京都の試算では維持改修費が2050年度までで11.3兆円(トンネルなどのインフラも含む)に上り、人口減少社会において、捻出可能な予算も限られます。
総務省は2014年、自治体に対し統廃合や民間売却などの方針を盛り込んだ公共施設の管理計画策定を求めました。財政面でも「公共施設等適正管理推進事業債」を用意し、事業費の9割分に充当でき、うち最大半分を国が地方交付税で補填するというものです。「建物の解体」も公共事業化し促進する事を考えているようです。
■公共施設の統廃合が進むことで懸念される住民サービス
一方、公共施設の集約は住民サービスの低下につながりかねず、住民の反発も強く、移住場所によっては、数年後に無くなってしまう施設なども出てくると住人の反発は避けられません。統廃合で利便性や施設配置がどう変わるかを示し「相手の意見を否定しない」などのルールを設けて住民が意見を出しやすくする自治体もあるようです。市は「拡充ならぬ『縮充』」として、可能な限りサービスの低下を防ぐような政策が必要なようです。
つまり、コロナ禍でテレワークが普及し、都心の狭い空間での生活ではなく、少し離れた場所に移住して、スローライフをされる方も増えていると思います。しかし、このような公共施設面積の縮小や亡くす施設の選定が始まっている事を頭の片隅に置いておいて欲しいと思います。
今後の参考にお役立て下さい。
法人営業部 犬木 裕