古くなり腐食などが進んだ消火器を操作した際に消火器が破裂し、負傷するなどの事故が発生しています。消火器には耐用年数がありますが、腐食しやすい環境に放置するなどで保守管理が不十分だと、経年にともない強度が低下して危険となります。消火器本体の変形や腐食、サビがないかなどを日頃から点検して、異常がある消火器は引き取り回収に出し、新しいものを用意するなどして、きちんと使えるようにしておきましょう。
消火器に腐食や変形、サビがないかなど日頃からの点検を
消火器には耐用年数があるのをご存知でしょうか。この交換推奨年数を示す耐用年数とは別に、腐食が進んだ消火器を操作したことにより、消火器が破裂してけがをする事故の発生が消防庁より報告されています。屋外や軒下、水回りなど、腐食しやすい環境に消火器を放置するなどで保守管理が不十分であることが原因として考えられます。
このような状態に加え経年にともない、本体容器(特に底部)は腐食して強度が低下します。そのため、通常は圧力のかかっていない加圧式の消火器では、火災消火のための放射操作や廃棄時の放射操作の際に本体容器内の圧力が急激に上昇すると、容器(特に底部)が圧力に耐えきれずに破裂し、消火器の操作者が負傷などをする事故につながります。
消火器を取り扱う際には、消火器の状態を点検し、腐食が進んでいるものは絶対に使用しないようにし、レバーを握ったり衝撃を与えるような取り扱いもやめましょう。
異常がある消火器は速やかに引き取り回収に依頼して安全に処理をしましょう
このような消火器の腐食による事故を防ぐためにも、消火器の日頃からの点検と手入れが大切です。消火器本体に変形や、サビや塗色の剥離がないか、ホースの損傷やひび割れ、キャップやホースの結合部に緩みがないかを確認しましょう。また、圧力ゲージがある消火器は、指針が緑色の範囲内を示しているかも確認しましょう。
消火器が濡れたり汚れた場合は、速やかに拭き取るようにします。消火器の置き場所にも注意が必要です。湿度の高い場所や常時水や直射日光に当たる場所、火気器具の近くは避け、誰もが見やすく使いやすい場所に設置し、消火器が転倒しないようにしましょう。
耐用年数を過ぎていたり、サビや腐食があったり、大きなキズや変形した箇所がある消火器、または不要になった消火器は、購入元や製造メーカー、リサイクル相談窓口などに相談しましょう。消火器を運搬する際には誤って操作をしてしまわないよう、安全栓が正しくセットされているかを確認し、安全栓がない場合はテープで固定するなどして消火器や消火薬剤が飛散、漏えいしないように処置することが大切です。
いざというときに安全に使用できるよう、日頃から点検をして耐用年数を迎えたもの、異常があるものは、引き取り回収を依頼して安全かつ適切に処理し、新しい消火器を用意するようにしましょう。
古くなった消火器の破裂などによる事故を防ぐためには、日頃から消火器の点検をして腐食やサビなどがないか注意することが大切です。しかし、どんなに気をつけていてもいざとなった時に思わぬ事態になってしまうかもしれません。万が一の「備え」もこの機会に見直してみてはいかがでしょうか?
リニュアル仲介、前田でした。