食料品の値上げや電気料金の値上げなど、家計に影響を及ぼすニュースが相次いでいます。対する賃上げについてはようやく始まったものの、まだまだ物価高騰には追いついていない印象です。
マンションを所有すると発生する管理費・修繕積立金も、同じく値上げの影響を受けてしまいます。
管理費・修繕積立金も値上げが必要
物価高の原因は世界規模の経済情勢の不安定から来るものと言われています。大雨で不作だったから野菜の値段が上がるような限定的なものではなく、また、時間を置けば元に戻ることも期待できないため、企業が値上げの選択を強いられている状況です。
マンション管理会社やマンションの修繕を行う建築会社も同じです。
原材料費の高騰もさることながら、人手不足の影響もあって、これまでの価格では到底やっていけない段階が近づいています。
住人の合意が得られなければ値上げが実現されない
マンションは共有物です。管理費・修繕積立金のような全体に影響を及ぼすことに関しては、住人の合意が得られなければ実現できません。
マンションの住人は様々です。大手企業に勤めていて、報道にあるように物価高にあわせて賃上げが実施されている家庭であれば、管理費・修繕積立金の値上げもやむなし、という判断ができるかもしれませんが、収入が増加していない家庭にとっては他の出費の影響もあり、理屈はわかっても簡単には同意できません。すでにリタイアしている高齢世帯はなおさらです。
管理費の値上げが実現できないと、管理会社は提供するサービスの質の低下を訴えると思いますが、家計に余裕のない方はそれでもいいから出費を抑えたいという判断になると思います。
管理の質の低下は、住人の生活の質を低下させるだけでなく、マンション全体の資産価値低下にも繋がりかねない事態なのですが、わかってはいても簡単には合意形成できないのがマンションの難しいところです。
修繕積立金不足は深刻な事態を引き起こす
管理費よりも深刻なのが修繕積立金です。
修繕計画から期間で按分して予め準備しておくのが修繕積立金ですが、当初の計画よりも修繕費が高くなってしまうと、修繕積立金だけでは工事が実施できません。
足りない分を住人から臨時で徴収する、管理組合で借り入れするなど、工事資金を用意しなければならなくなります。
先ほどの管理費と同じで、必要なのは理解できていても、臨時徴収に応じられない住人は反対しますし、管理組合での借り入れは、その先で修繕積立金を値上げすることが前提となるので、質の悪い先送りにしかならないのです。
そもそも管理費や修繕積立金は住宅ローンの返済以外に毎月出費となるもので、新築時に先の物価上昇を見越して余裕のある修繕計画を立てていれば良いのですが、新築販売時のセールスを目的に、余裕のある計画どころか、当初の修繕積立金は安く設定しておき、段階的に引き上げる計画のマンションも少なくありません。
これまでもマンションの修繕積立金については将来の資金不足が懸念されてきましたが、昨今の物価上昇がその問題を悪化させていると言えます。
マンション検討時には管理費・修繕積立金のチェックを
支払う側からすると安ければ安いほど良いと思ってしまいがちな管理費・修繕積立金ですが、安すぎる設定はそれだけ将来の値上げリスクを伴うので、必ずしも安い方が良いとは言えません。
国がマンションの管理費と修繕積立金について、目安となる金額を出しているので、マンション検討時には国の想定値と比較して安いか高いかを確認した方が良いのですが、この想定値は平米単価のため、検討している物件ごとに平米数をかけて判断するのは非常に手間です。
そこでお勧めなのがSelFin(セルフィン)です。価格の妥当性や耐震性など物件の善し悪しを自動で判定するWEBアプリなのですが、広告情報から管理費と修繕積立金についても国の想定値が自動で表示されるので、安めに設定されているか、高めに設定されているかを瞬時に判断できます。
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