近年は、台風や警報級の大雨などにより、大きな水害が相次いで発生するようになりました。河川の増水による氾濫や堤防の決壊、台風が接近した際の高波や高潮などは、人的被害のほか、浸水による住宅被害などをもたらします。
河川の流域付近で起こる「洪水(外水氾濫)」は、おもに堤防決壊などにより発生します。決壊地点より標高の低い方向に向かって洪水が氾濫し、家屋の床上・床下浸水や全壊・半壊の被害が広範囲に発生します。
洪水による被害は、床下浸水の場合、床下に汚泥が流入するため床下の清掃・消毒が必要になります。床上浸水になると、家屋内の消毒、建材や建具の取り替えが必要になり、さらに浸水が深いと、電気・ガス設備などの交換が必要になる場合があります。また、家財道具の流出、家屋の全半壊といった深刻な被害になる場合もあります。汚泥を含む浸水害は、周辺のライフラインの被害も重なることがあり、復旧までには大変な時間と労力を要します。
近年では、都市部などで発生する「雨水出水(内水氾濫)」という都市型水害が目立つようになっています。地表面がコンクリートやアスファルトで覆われている都市部は、雨水が地下に浸透しにくいため、そこへ短時間に大量の雨が降ると、下水道などの排水施設の能力が足りなくなり、浸水が発生することがあります。また、河川の水位上昇により雨水を排水できなくなると、河川から離れた地域でも浸水が発生することがあります。
地下に各種設備があるマンションなどでは、基礎から50cm程度の床下浸水でも、大きな被害になることがあり、地下駐車場の浸水や、電気設備の浸水による停電が起こることがあります。停電により、エレベーターが使えなくなり、給水ポンプが停止することで水道やトイレが使用できなくなるなど、全戸におよぶ被害となる場合があります。
住宅の主な浸水被害は、冷蔵庫などの電化製品が故障したり、浸かった部屋の壁内の断熱材やソファなどが吸水によりカビや雑菌が繁殖したりするおそれがあります。和室の木製家具や畳などは吸水性が高いため、片付け処理が大変になります。台所のシンクは排水口が詰まって使用できなくなる場合があり、トイレも排水管から汚水が逆流すると使用ができなくなります。
車は、吸気系に水が入ってしまうと、エンジンをかけたときに故障する可能性がありますし、車内のマットやシートは、住宅内の断熱材やソファと同様、カビや雑菌が繁殖するおそれがあります。
日頃から家の周りを点検し、排水溝の整備・確認などが住宅の被害を最小限にくい止めることにつながります。また、災害発生時には身を守ることを最優先することが重要です。
住宅購入時に加入する火災保険でもある程度補償を付けておく事で、災害時にも家族が困らないように保険でカバーする事も出来ると思います。
昨今は保険料も高くなっておりますが、備えとしてしっかりと吟味して加入される事をおすすめします。