不動産取引ガイド

2024年から住宅ローン減税 変更予定!Q&Aで解説!

ご自宅の購入に際して、住宅ローン減税の適用の有無は非常に重要です。
そもそも「住宅ローン減税」制度を利用すると、住宅ローンを組んで自宅を購入する事で所得税などの減税が受けられるようになります。昨今、様々な物の値段が上がり、インフレ状態が続いていますので、家計への影響は大きくなりがちです。その為、住宅購入後に住宅ローン控除が受けられる事で家計を助ける事につながります。しかし、2024年からは対象となる条件などが変わる予定の為、今回はQ&A形式でご紹介をしたいと思います。

Q.住宅ローン減税の仕組みはどのような制度ですか?

A.住宅ローンを組んで自宅を購入すると、年末のローン残高に応じて所得税や住民税が軽減されます。床面積などの条件を満たせば、新築住宅のほか中古やリフォームも対象になります。新築の場合、入居から最大13年間、年末のローン残高の0.7%を本来の納税額から引きます。対象となるローンの残高には上限があり、それを超えた分は減税対象とはなりません。これから住宅ローンの金利上昇が懸念されている為、低い住宅ローン金利で住宅ローンを組むことにより、本メリットが発生しやすい状況となります。

Q.2024年から住宅ローン減税の条件が変わるようですが、どのように変わるのですか?

A.新築住宅の減税となる条件が大きく変わります。現在は省エネ性能などに応じて、対象となるローン残高の上限が4段階あります。上限が最も大きいのは「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」で5000万円、次が「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)水準」で4500万円。省エネ基準を満たさない住宅は3000万円です。2024年からは、省エネ基準を満たさない新築住宅は原則、住宅ローン減税の適用対象になりません。また、買取再販住宅(いわゆるリノベーション物件)に2024年から2025年に入居する場合、住宅ローン控除を受けるためには、取得する物件が「長期優良住宅」「低炭素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」のいずれかに該当しなければいけません。これら以外の物件は住宅ローン控除を受けられなくなります(2023年までに建築確認が取れる場合を除く)。

Q.なぜ住宅ローン控除に省エネ基準を判断材料にするのですか?

A.省エネ性能が高い住宅の普及を促すためです。断熱性が高く空調などにエネルギーを効率良く使う設備を使った省エネ住宅が増えれば、二酸化炭素の排出量の削減につながります。なお現時点では省エネ性能の基準は現在と同じですが、減税対象となるローンの上限はそれぞれ下がる予定です。

Q.今(2023年8月現在)、建設中の家は年内の基準になるのですか?

A.減税の条件はその家に住み始めた時点を基準にするのが原則ですが、制度移行時は特例があります。2023年中に建築確認を受けた住宅や2024年6月末までの竣工なら、省エネ基準を満たさなくても対象になります。ただし住宅ローンの上限は2000万円、控除期間は10年と減税の効果は小さくなります。2024年以降の条件で住宅ローン減税を利用するときには確定申告の際に省エネ性能を示す書類の提出が必要となります。

Q.住宅ローン減税は家計にどのくらい影響が発生しますか?

A.住宅ローンの金利年1%で35年返済のローンを4000万円組んだ場合、減税額は合計270万~300万円程度(年収700万円の専業主婦世帯)となります。住宅ローン減税は過去に縮小を見送ったことがありました。そのため省エネ性能が基準以上の住宅については2024年以降も現在と同じ上限になる可能性があると予想する方もいます。

いずれにせよ、これから住宅購入を検討されている方は、省エネ基準の有無を考慮する必要があります。勿論、省エネ性能が高いという事はそれ相応の建築コストが高まっている可能性もあります。

その状況を考慮しての住宅購入をご検討いただければ幸いです。

今後の参考にお役立て下さい。

法人営業部 犬木 裕

天井カセット型エアコンとマルチエアコン:高級な選択に隠れたリスクとは?前のページ

家づくりもSDGs!(長寿命な家づくり)次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入は不安でいっぱい
  2. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 立地適正化計画をご存知ですか?
  5. 住宅購入と 生涯の資金計画

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    海外赴任者 帰任に備えた日本の家探し 10 【事前準備~売買契約締結 編 8/9】

    前回に引き続き「STEP 4 『商談開始(=買付申込)から売買契約締結…

  2. 不動産取引ガイド

    不動産購入時に把握したい「相続税」について

    今回は表題の「相続税」について、解説したいと思います。勿論、不動産…

  3. 不動産取引ガイド

    思い描く理想の収納

    一般的に収納が建物の13%あると理想といわれています。どこにどのよ…

  4. 不動産取引ガイド

    自宅には収納スペースが不足している?!

    11月10日にLIXIL住宅研究所が発表した、全国の既婚女性500名を…

  5. 不動産取引ガイド

    グリーン住宅ポイント制度

    新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復を図るため、一…

  6. 不動産取引ガイド

    火災保険加入と同時で無くても地震保険は「後付け」できる?!

    最近、茨城県付近での震度3前後の地震が増えているように感じます。地震に…

  1. 不動産取引ガイド

    耐震性をきちんと検討する
  2. 不動産取引ガイド

    消し忘れに注意したい買戻特約
  3. お金・ローン・税金

    2021年9月 フラット35金利のご案内
  4. 不動産取引ガイド

    リビング・ベランダの東西南北それぞれのメリット!
  5. 不動産取引ガイド

    狭い土地には建物を建てられない!?~敷地面積の最低限度について~
PAGE TOP