耐震診断結果はなんと「0.15」。
点数にとらわれす冷静に原因を分析して補強工事を安価にまとめる。
Kさんが購入したのは、昭和62年の木造一戸建て住宅。住宅ローン減税のための耐震基準適合証明書を取得するために、リニュアル仲介で耐震診断を実施。結果は驚きの「0.15」でした。(現行基準は「1.0以上」)しかし、担当した建築士が点数を下げた要因を分析、今回の案件は点数の割に改修費用が低く抑えられることがわかりました。また、売主様が綺麗に利用されていたので住宅設備がそのまま利用でき、リフォーム費用があまりかからないということで、購入を決断されました。
結果として築20年以上なので建物価格はほぼ0円、土地代のみで購入し、リフォームにもそれほどお金をかけずに住むことができた、という非常に「お得」な物件の取引となりました。住宅ローン減税もばっちり適用されるので、改修費用も結果的に住宅ローン減税分で相殺できそうです。(耐震基準適合証明書についてはこちらもあわせてご覧ください)
【K様邸の事例から見る耐震診断結果の考え方】
<耐震診断結果の考え方>
①床面積などからその建物に必要な強さを求めます。(必要耐力)
②現地調査の結果から壁の強さを求めます。(壁・柱の耐力)
③壁の配置バランスが悪かったり劣化している場合は低減し、評価できる強さを求めます。
(保有耐力)
④保有耐力が必要耐力を上回っていれば評点1.0以上で基準に合格ということになります。
一般的な家屋だと、壁の量が決定的に不足していて、点数を補うために壁補強箇所が増えてしまいがちなのですが、今回の案件のように、壁の量というよりは配置バランス、劣化が原因の場合は、比較的安価な改修で済む可能性が高いです。大切なのは点数に惑わされることなく、冷静に点数を下げた要因と改善方法を検討することです。