大きくなりすぎた街路樹をコンパクトな樹木に植え替える動きが広がっています。
管理の手間や倒木の恐れが直接の原因だそうですが、住民意識の高まりや財政難など都市社会の変化も映し出しています。
少し前の日経新聞に出ていた内容ですが、名古屋市の中心部に近い市営地下鉄の御器所(ごきそ)駅。
この駅から東に向かって約1.5キロメートルの市道沿いで、約120本ものアオギリの街路樹が昨年までにすべてコブシの木に植え替えられたようです。
人口が増えている名古屋市内では成長が早く大きな葉をつけるアオギリなどを伐採し、小さな花木などに植え替える作業を進めているようです。
昨年8月、街路樹の再生指針でこうした方針を打ち出し、全国的に注目を集めています。
ちなみに市内には約10万本の街路樹があり、高度成長期以降、都市の発展に合わせて植えられてきましたが、近年は樹木の高齢化で倒木や枝の落下などによる事故が2013年度までの10年間に55件発生し、また、樹木が信号機を隠すなどの問題も起きていたそうです。
一方、街路樹を維持管理する予算はピークだった97年度の18億円から14年度は8億円に減り、同じ期間に生活保護など「扶助費」が増大し、街路樹の管理に予算が追い付いてないようです。
そこで名古屋市が“合理化”の対象として目をつけたのが毎年、枝切りが必要なアオギリとナンキンハゼの計約1万本だったようです。
ちなみに5年間で半分の5千本をハナミズキやコブシのように小型で成長が遅く、枝切りの必要がない樹木に植え替え、これで年間7000万~8000万円ほど管理費用を節約できるようです。
不動産も同じく、これから人口が減り、インフラの整備費用の捻出が困難な自治体においては、かなり切り詰めた運営が求められます。
今は閑静な街であっても、将来は変わっていることも予想されます。
日本で近代的な街路樹の整備が始まったのは明治時代に入ってから。関東大震災や第2次世界大戦で焼失した時期もあるが、高度成長期以降は大気汚染の緩和や開発による緑の減少を補うため、全国で植えられるようになりました。
ただ国土技術政策総合研究所によると、全国の街路樹(高さ3メートル以上)は1987年に371万本だったのが2002年に679万本に達した後は、おおむね横ばいで推移しているようです。
四季折々の花や緑陰、紅葉などが都市住民の生活に彩りを与えてくれる街路樹ですが、その種類は時代とともに少しずつ変遷しています。
また不動産においては全国的に立地適正化計画が進められ、街をコンパクトにまとめていく流れが明確になりつつあります。
不動産も街路樹と同じように、コンパクト化が進んでいくのでしょう。今後もこの2つのコンパクト化については様子を見ていきたいと思います。 法人営業部 犬木 裕
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