不動産取引ガイド

建築基準法改正 ~3階建て戸建の資産価値が甦る!?~

平成30年6月20日、建築基準法の一部を改正する法律案が成立しました。

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000097.html

改正の内容は、建築物・市街地の安全性の確保、既存建築ストックの活用、木造建築物の整備の推進、その他となっています。

このうち、既存建築ストックの活用に盛り込まれたのが、用途変更に伴う耐火建築物への変更義務の緩和です。

これまでは、3階建ての木造戸建てを旅館として営業しようとする際には、耐火建築物に変更しなければなりませんでした。

しかし、この法改正によって、耐火建築物にしなくても旅館業の許可が取れることになりました(誘導設備などの設置は必要になります)。

併せて、これまで必要だった用途変更する際の建築確認申請が、建物の面積が200㎡以下の場合には省略できることになりました。

それぞれ、木造3階建て戸建をこれまでより容易に居宅から宿所に変更できる、ということです。

これまで手続きの煩雑さやコストの面から旅館やホテルへとしての活用ができなかった戸建が、この法改正により簡易にコストをかけずに活用できる道が広がったと言えます。

政府は、今後増加が見込まれる訪日外国人観光客の受け入れ先としての簡易宿所の増設を推し進めています。

都心に近く、駅からのアクセスが良い物件であっても、現在空き家になってしまっている住戸は多いと言われていますが、その空き家を活用する手段の一つとなることが見込まれます。

こういった法改正や政府の推進政策を見るにおいても、やはり住宅購入には立地が重要であることを再認識させられます。

いくら法改正や推進政策があったとしても、旅行客も来ないようなアクセスの悪い物件では活用もできません。

お住まい探しには「住み心地が良い」に加え、「売れる」「貸せる」という視点も考慮するようにしてはいかがでしょうか。

建物調査のデメリット前のページ

1坪はなぜ、3.3平方メートルになったのか?次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 住宅購入は不安でいっぱい
  3. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  4. 立地適正化計画をご存知ですか?
  5. その家は人口減少した将来でも売ることができる家ですか?

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    建物登記義務

    建物には登記の義務があるのをご存じでしょうか。家を建てたら表題登記…

  2. 不動産取引ガイド

    税務署からの「お尋ね」が来たら、どうすれば良いのか?1

    税務署からの「お尋ね」はどうして送られてくるのか?苦労して頭金を貯…

  3. 不動産取引ガイド

    損をしない不動産購入をする為に、不動産テックツールの活用を目指しましょう!

    昨今、AIにビッグデータを与えることにより、単なる情報解析だけでなく、…

  4. 不動産取引ガイド

    安心の住宅購入の為には建物状況調査(インスペクション) は必要なのか?!

    先日、既存住宅状況調査技術者講習会の合否発表が出ました。80点…

  5. 不動産取引ガイド

    不動産登記 住所変更義務化?!

    今回は、購入した物件の登記をきちんと変更しておいた方が良いケースのご紹…

  1. 不動産取引ガイド

    人口動態及び世帯数レポート(2)人口が増えている街で行われていること
  2. 不動産取引ガイド

    首都圏直下地震
  3. マンション

    築23年の物件ながらも最小限のリフォームでまるで新築のような仕上がりに
  4. 不動産取引ガイド

    土地の権利とは
  5. 不動産取引ガイド

    家の近くにコンビニはありますか?
PAGE TOP