不動産取引ガイド

インフラが悲鳴を上げている

「いよいよか」というのが正直な感想です。

修繕必要な橋やトンネル 7割が未着手
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190824/k10012046531000.html

全国にある橋やトンネルのうち、5年以内に修繕が必要なのは7万3000箇所以上あり、このうち7割ほどが修繕に着手できていないことがわかりました、という記事です。

建築物は無限に使えるわけではありません。
高速道路も大規模なリニューアル工事を実施中ですが、道路も橋もトンネルもダムも定期的なメンテナンスが必要です。

インフラの整備に手が出せる状況でないのは、今にわかったことではありません。数年、もしかすると数十年前からこうなることは簡単に予想できたのです。

日本は人口減少時代に突入し、加えて、極端な少子高齢化という歪な人口構成となっています。
生産年齢人口(お金を稼ぐ年代、言い換えると税金をたくさん納める年代)は年々減る一方で、当然ながら人口が減る自治体は税収が減り、インフラの整備費が賄えなくなります。

破綻した北海道夕張市の状況を見れば、この先何が起こるのか、容易に想像できます。

人口が一定数いないと、ショッピングモールもスーパーも当然ながら撤退します。病院も撤退します。
住みにくい街をあえて選択する理由は若い世代にはないので、便利な街には人が集まり続け、郊外の過疎化はますます進み、やがて公共交通網の維持もできなくなり、限界集落と呼ばれる状況に追い込まれます。

今後減り続ける税収は、今までよりももっとシビアに効率よく利用することが求められます。人が集まるエリアと、過疎のエリアを同じ扱いにはできなくなるのです。
同じ費用をかけるなら、より多くの人が恩恵を受けられるところにお金を投じるべきですね。人もお金も湯水のように使えるのなら、そんなことを考えなくても良いのですが、これからの時代はよりシビアに優先順位を見極める必要があるのです。

今回は詳細は触れませんが、すでに国は立地適正化計画という布石を打っています。自治体の中で、人が住む場所や商業地域を区分していきましょう、というものです。うがった見方をすると、人を集めるつもりがないエリアの線引きを行った、とも言えます。
今は具体的なアクションがないので問題にはなっていませんが、将来的に余力がなくなった行政の選択肢が少し明らかになったと判断すれば、お住まいの地域はもちろん、ご実家や親族の住む街の立地適正化計画は確認しておいた方が良いでしょう。

ふるさと納税の件で少し記事を書いたことがあるのですが、ふるさと納税による税収は継続的なものではありません。
自治体にとってあればボーナスみたいな存在です。
突然降ってわいた臨時収入を、各自治体は何に利用したのでしょうか?人を増やす努力を行っているでしょうか?

これから家を買う方は、街の見極めが本当に重要です。
生まれ育った町に愛着があっても、近い将来訪れる生活の不便さに耐えられるでしょうか。そしてその不便を自分たちの子供世代へ引き継いでいくのでしょうか。

地域によっては「家を継ぐ」という伝統も維持できない状況です。

大切なことなのでもう一度。
人口に起因する諸問題は、行き着く先が現時点でほぼ正確に予測できます。
住宅にかかる費用は人生の中でも大きな負担です。
住居費を消費してしまわないよう、街選びは慎重に行いたいものです。

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