不動産取引ガイド

8月28日からの不動産重要事項説明において水害リスクの説明義務化

国土交通省は8月28日から、住宅購入や賃貸などの契約前に水害リスクを説明することを不動産業者に義務付ける事を決定しました。浸水想定区域で浸水被害が相次いでいることを受け、省令を改正します。住み始める前から危険性や避難場所を把握してもらい、逃げ遅れを防ぐ事が目的です。

https://www.zentaku.or.jp/news/5065/

■そもそも水害リスクの説明義務化に至った経緯について

2020年7月3日から13日にかけて、九州地方を中心に広い範囲で大雨となりました。日本気象協会は、この梅雨前線に伴う大雨の特徴に関する情報を、防災レポートとしてまとめました。その内容を見てみると、この大雨により、九州地方で13事例の『線状降水帯』が発生し、このうち球磨川氾濫事例では11時間以上継続したようです。球磨川では計画降雨を超過、筑後川では計画降雨と同程度の雨量となりました。また、九州各地の被害発生箇所の多くで、各継続時間雨量または土壌雨量指数のいずれかで既往最大値に匹敵または超過する雨量となりました。近年のゲリラ豪雨とは違った被害となりました。

そもそも宅地建物取引業法では、契約を結ぶかどうかの判断に影響する「重要事項」は事前説明が義務付けられている。関係省令を改正し、重要事項説明の項目に水害リスクを盛り込むことが決定しました。違反し、改善命令に従わない場合は業務停止を命じるという罰則まで決まり、本対応は8月28日から施行するようです。本改正は秋頃の予定と聞いていましたので、ずいぶん前倒しになりました。今回の豪雨被害を受けて、早い対応をしたものと思います。

これまで土砂災害や津波のリスクは重要事項説明の項目になっていましたが、水害リスクは対象になっていませんでした。この水害リスクの説明義務化後、不動産業者は自治体が作成している水害ハザードマップを活用し、物件の位置や浸水のリスクなどを顧客に説明しなければなりません。近隣にある避難所の場所も伝える必要も出てきます。

■熊本の豪雨により、水害リスクの説明義務化が前倒しされた?!

2020年7月の記録的な豪雨で被害を受けた熊本県人吉市ではハザードマップ上で浸水が予想されていた地域と、実際の浸水区域がほぼ重なっていたようです。2018年の西日本豪雨でも浸水想定区域で多数の住宅が浸水し、逃げ遅れた住民が犠牲になりました。西日本豪雨の際にも、実際の浸水区域がほぼ重なっていました。

水害リスクの高まりを受け、赤羽一嘉国交相は1月の衆院予算委員会で事前説明を義務化する方針を示していた。また先日の赤羽国交相の記者会見で「住民の方々に水害リスクを把握していただくことが重要となっている」と強調し、本施行が決定的になりました。

国は被害の拡大を防ぐため、災害の危険性が高い地域での開発も抑制する予定です。改正都市再生特別措置法が6月に成立し、土砂災害特別警戒区域などの「災害レッドゾーン」と呼ばれる区域で、学校や店舗といった施設の建設が原則禁止されるといった措置が取られるようになります。

近年の自然災害の発生が増えており、保険会社の支払いや国の被災者支援などにも多額の費用が必要になっていますので、水害リスクの説明義務化は非常に重要だと思います。

不動産購入の参考にぜひ、お役立て下さい。

法人営業部 犬木 裕

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