■相続した不動産(空き家含む)は早く売却した方が良い?!
某大手新聞社の記事で、「ずっと空き家だった実家を処分できて、ほっとしている」というものがありました。結果、この空き家は地元の不動産会社が買い取ったようですが、一人暮らしだった親が亡くなり、10年間、空き家として放置されていたようです。10年前の亡くなった当時は3人が相続人となったようですがが、それぞれに持ち家があったため全員が実家を引き継ぐことを渋り、空き家になったようです。実家の所有名義を変更しないまま年月が過ぎるうちに相続人の一人が死亡し、相続人の妻、おい・めいを含めて7人になり、もし、もう一人の相続人が亡くなるとさらに相続人が増え、話し合いが難しくなりかねません。
その為、これから相続で実家を引き継ぐようなケースでは、なるべく早く売却等の手続きを行った方が、相続人が最少人数での話し合いとなります。時間の経過とともに相続人が増えてしまい、結果放置となる空き家は沢山存在します。
■年々増え続ける空き家!どれくらい存在する?!
総務省の調査によると全国の空き家は2018年に846万戸と、この20年で約1.5倍に増えています。空き家の取得方法は「相続」が最多の54.6%を占め、所有者の約20%が「5年以内に売却・賃貸」を希望しているそうです。今回のケースのように売却を依頼して半年程度で成約する例がある一方、「何年も売れないケースは珍しくない」ようです。私も両親を亡くし、空き家となる前に、近所の方からの相談で売却を行った経験がございます。ちなみに、売却がし易い不動産とはどのようなものが考えられるでしょうか?
■売却がし易い不動産とはどのようなものか?!
売却がし易い不動産とは(1)駅に近い、(2)人気エリア、(3)維持・管理が行き届いている、(4)相続人全員に売る意思がある、(5)リフォームや解体しての売却が明確である等が考えられます。
まず買い手が付きやすいのは、駅に近い住宅地に立地するなど市場価値がある物件です。交通が不便な地域は一般的に売却は難しく、これから人口が減っていく日本においては、更に厳しさを増すことが予想されます。売却する際は、最初に近隣の人に持ちかけるのが良いようです。また、空き家は放置すると家屋が傷んだりする為、家屋の定期的な掃除や修繕、庭木のせん定や除草といった維持・管理をすることも必要です。買い手が見つかるまで時間がかかることも視野に入れ、維持・管理費のほか固定資産税の負担割合を相続人の間で決めておいた方が良いようです。
■相続した不動産(空き家含む)を売却する際の「3000万円特別控除」とは?!
相続空き家を売却するなら、「3000万円特別控除」と呼ばれる特例が見逃せません。売却金額から家の取得費や仲介手数料といった譲渡費用などを差し引いた損益がプラスなら課税対象になりますが、一定の条件を満たせば譲渡所得から最高3000万円を控除できる制度が存在します。結果的に税金がかからずに済むという事です。特例を受ける為には、下記HPにある諸条件がありますので、ご確認下さい。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm (国税庁HPより)
いずれにせよ、相続不動産(空き家含む)は相続を知った日から、なるべく早く対応した方が良いようです。ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。
法人営業部 犬木 裕