不動産取引ガイド

所有者不明土地の解消に向けて

近年、相続した不動産について相続登記がされていないケースが数多く存在していることが、大きな社会問題となっています。
これらに関連するニュースやテレビ・雑誌での報道もご覧になった方も多いかと思います。

相続登記が放置されているため、所有者の把握が困難となり、公共事業が進まないなどの問題が顕在化しています。

長期相続登記等未了土地解消作業

法務省では、このような状況を解消するため、長期間相続登記が放置されている土地について、戸籍関係を調査し、相続人の一人に相続登記をするよう通知する作業を進めています。

思いがけず、自分の総父母が所有していた土地について、こうした通知が届く、といった状況が発生しているようです。

このような、相続登記が放置されてしまう土地としては、地方の山林や原野など資産価値が乏しい土地もありますが、一方で、住宅街の私道部分や、隣地との境界にある狭小な土地などもあり、エリアを問わず全国で発生しています。

長期相続登記未了土地の登記

法務省では、上記のような相続人への通知に併せて、その土地自体にも「長期相続登記未了土地」である旨の登記をしています。

客観的にも、登記簿に放置された土地であることが記載されてしまうのです。

現状、登記がされること自体に経済的な不利益はありませんが、あまり見栄えの良いものではないかもしれません。

登記手続き費用の軽減

こうした長期相続登記未了土地の相続登記をする場合には、いくつか手続き費用の軽減が受けられる可能性があります。

法務省が職権に基づき戸籍の調査を終わらせ、その結果を「法定相続情報一覧図」という書類にまとめています。

自分で相続手続きをする際に必要となる膨大な戸籍謄本を収集する作業を省略することができるかもしれません。

また、その名義変更自体にかかる費用についても、ケースに応じて費用を免除する制度も設けられています。

もしこのような通知がお手元に届いた場合には、まずその土地がどこにあり、どれくらいの価値があるものなのか、不動産エージェントにご相談いただくことも可能です。

新たに運用したり活用する方法があるかもしれません。

ぜひお気軽にご相談ください。

修繕積立金は安ければいいというものではありません前のページ

2022年は住宅ローン控除の控除率や住宅取得資金贈与の非課税枠が縮小?!次のページ

ピックアップ記事

  1. 住宅購入と 生涯の資金計画
  2. 土地価格の相場を知る方法
  3. 危険な場所は 地形図で見分ける
  4. 買ってはいけない物件を自分でチェック
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. お金

    路線価の見直しで、相続税約400万円が戻ってきた?!

    昨年、埼玉県の50歳の男性が、多く納め過ぎた相続税を返してもらう更生と…

  2. 不動産取引ガイド

    国の政策にアンテナ張っていますか?

    我が国の住宅政策は、平成18年に施行された「住宅生活基本法」に基づいて…

  3. 不動産取引ガイド

    減少するリアル店舗 「商業施設に近い」というPR文に資産価値を落とす要素が・・・

    2016年10月16日夕刊フジの記事で、「個人商店が成り立たなくなって…

  4. 不動産取引ガイド

    分譲マンションの共有部分とよく耳にしますが、どこを指しているのでしょうか…

    分譲マンションなどのように、一棟の建物が構造上いくつかの部分に区分され…

  5. 不動産取引ガイド

    住宅ローンの融資残高が膨張を続ける日本!これからどうなる?!

    ■金利が0.1%上昇すれば国内全体で利息負担が約1100億円増える?!…

  6. 不動産取引ガイド

    所有者不明土地の解決へ向けて一歩前進。土地を所有することの責任とは?

    本年6月14日、所有者不明土地等対策の推進に関する新たな基本方針及び工…

  1. 不動産取引ガイド

    税務署からの「お尋ね」が来たら、どうすれば良いのか?2
  2. 不動産取引ガイド

    売買契約直後の台風被害
  3. 不動産取引ガイド

    「今」ではなく「これから」を考えてリフォームする
  4. お金・ローン・税金

    抵当権 不動産担保ローンの意味
  5. 不動産取引ガイド

    納得できる 土地選びのポイント2
PAGE TOP