不動産取引ガイド

マンションの床材、遮音等級とは

マンションの遮音等級でL40やL45などと聞いた事はないでしょうか?
L値という場合もありますが、これはLLとかLHの略となり、LLは軽量床衝撃音、LHは重量床衝撃音のこととなります。
また、LHよりもLLの方が重要なので、単にマンションの遮音等級で、L等級というと軽量床衝撃音のLLを指すようです。

一般的にはL45程度に規定されている遮音性能は多いように思います。

ではこの数値の40や45というものは何を意味するのでしょうか。
上階の床で生じる音が下の階でどの程度に聞こえるのかの基準として、決められている遮音等級をL値(エルち)またはL等級(エルとうきゅう)といい、音の伝わりにくさを表しています。このL値は数字が小さいほど、遮音性能がよいことを示しています。

床材の性能から推定されている「推定L等級」も生活実感と結びつけることで理解しやすく、便利なものですが、ある想定条件の下で推定されている指標であり想定条件と違うマンションでは空間性能も違ってくるにも係らず、「その床材を使えば、必ず推定L等級の性能が得られる」という誤解が散見されているのが現状です。

LLとは軽量床衝撃音で、スプーンなどが床に落ちた時に響く、小さくて、高い音です。
そして、LHとは重量床衝撃音のことで、ボーリングの玉などを床に落とした時に発するドスンという大きくて重たい音です。
この2種類の音は、それぞれ階下への響き方が違っているので、対策方法も違います。
マンションで求められる遮音性能は、この両方の音に対する対策でそれぞれ遮音等級が定められている訳です。

マンションの管理規約などで決まられている遮音等級ですが、新築時には既に規定の等級を満たしているので問題はないのですが、10~15年程度でリフォームをされる方も多くその際に必ず管理規約を確認して規定内の等級を満たす床材を使用するようにしてください。

もちろんリフォーム会社様などで確認もしていただける項目なので、全てご自身で確認する必要はありませんが、ご自身のご自宅ですので何の等級の床材なのかという事は事前にご確認いただくと良いと思います。

中古住宅の場合は内見の時などにも居住者様に上階からの床の音などは確認するのも良いですし、購入時に管理規約を確認する事をおすすめします。

生活音は仕方がない事ですし、小さいお子様がいらっしゃるご家庭は下階の方に迷惑がかかるなどと心配される方も多いと思いますので、事前に気になる方はエージェントにもご確認いただくと良いと思います。

日本のマンションの防火対策は安全?前のページ

2024年2月 フラット35金利のご案内次のページ

ピックアップ記事

  1. 建物インスペクションを実施する最適なタイミングとは?
  2. 住宅購入と 生涯の資金計画
  3. 立地適正化計画をご存知ですか?
  4. 危険な場所は 地形図で見分ける
  5. 住宅購入は不安でいっぱい

関連記事

  1. 不動産取引ガイド

    賃貸VS購入論争 老後を考えると購入一択です

    毎年年始から4月頃まで不動産の繁忙期と言われ、テレビなどで不動産会社の…

  2. 不動産取引ガイド

    災害と不動産購入

    毎日のように地震が各地で起きていますが今年も3月11日を迎えました…

  3. 不動産取引ガイド

    建物状況調査に関する少し深い情報 その2

    建物状況調査シリーズです。建物状況調査(インスペクション)とは…

  4. 不動産取引ガイド

    離婚による財産分与と不動産の話

    結婚を機に不動産を購入される方も多いですが、近年では3組に1組が離婚す…

  5. 不動産取引ガイド

    2022年問題⁈

    2022年の生産緑地法問題で不動産価格暴落!?不動産投資は終焉か?とい…

  6. 不動産取引ガイド

    検索するなら今ならインスタ?!

    最近お客様に何を見て弊社にご連絡していただいたのですか?と聞くと、5組…

  1. お金・ローン・税金

    【フラット35】の新機構団体信用生命保険制度とは?
  2. 不動産取引ガイド

    建物状況調査に関する少し深い情報 その1
  3. お金

    賃貸併用住宅の落とし穴?!収支に注意を!
  4. 不動産取引ガイド

    ペロブスカイト太陽電池とは?
  5. かし保険

    瑕疵保険⑦瑕疵保険と住宅ローン減税
PAGE TOP