不動産取引ガイド

GX志向型住宅とは

「GX志向型住宅」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?
カーボンニュートラルの実現に向けて、2025年の補助金から新しく登場した住宅です。
GX志向型住宅とはどんな住宅を指すのか調べてみました。

■GX志向型住宅とは

GX志向型住宅は、高い断熱性能や再生可能エネルギーの活用などにより、一次エネルギー消費量の削減率100%以上を目指しています。
ZEHよりも高い基準を設け、脱炭素社会の実現を目指す「GX(グリーントランスフォーメーション)」の考え方に基づいており、「脱炭素志向型住宅」とも呼ばれます。
一次エネルギー消費量ゼロを実現する次世代型の省エネ住宅です。

GXとは

温室効果ガスの排出源である化石燃料をできるだけ使わずに、再生可能でクリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動のこと。

■GX志向型住宅の基準

1. 断熱等性能等級「6以上」

断熱等性能等級6以上を取得するには?
・ 高性能な断熱材を使う
・ 高断熱窓を採用する(「高性能断熱サッシ」「Low-Eトリプルガラス」など)
・ 断熱ドアを採用

これらの断熱性を向上する設備を採用することにより断熱性能等級を向上することが可能です。
断熱性能とは…「建物からの熱の逃げにくさ」と「建物への日射熱の入りやすさ」の2点から見た指標です。

2.一次エネルギー消費量の削減率が下記を満たすこと

太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーを除き、一次エネルギー消費量を35%以上削減することが条件です。
一戸建ての場合、一般地域では再生可能エネルギーを含めて100%以上、寒冷地等においては75%以上の一次エネルギー消費量削減を満たした住宅がGX志向型住宅として認められます。

一次エネルギー消費量とは?

空調、給湯、換気、照明の4つの主要エネルギー用途における消費量を指します。
家庭内で使用される全エネルギーが対象ではなく、以下のような用途が計算対象となります。

空調:エアコン(冷房・暖房)、ガスや石油のFF暖房、蓄熱電気暖房、温水暖房
給湯:ヒートポンプ給湯器、ハイブリッド給湯器、ガスや石油給湯器、太陽熱利用、節湯機器
換気:第1種および第3種のダクト式換気
照明:LED、調光スイッチ、人感センサーなどの省エネ照明

再生可能エネルギー(太陽光 発電システム)の設置

GX志向型住宅では太陽光発電システムの設置が前提となります。
「一次エネルギー消費量削減率(再エネを含む) 100%以上」(※都市部狭小地、寒冷地等で一部緩和あり)を達成するためには太陽光発電設備容量が必要です。
必要な容量は、年間の日射区域区分や建物の規模、設備仕様によって検討する必要があります。
太陽光発電システムと共に蓄電池を備え付けることも必要となってきます。

3. 高度エネルギーマネジメントシステムによる制御

HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の導入が必要です。

HEMSとは住宅全体が使用する家電や電気設備の電気やガスのエネルギー使用量をモニター画面で「見える化」したり、設備や機器を自動制御する管理システムのことです。
HEMSを導入することにより、家庭で使うエネルギーの削減を図ります。

■GX志向型住宅のメリット

GX志向型住宅には、光熱費の削減や環境への配慮、災害時の安全性向上など、多くのメリットがあります。
また、健康的な室内環境を提供し、住む人々の生活の質を向上させます。

・光熱費削減の可能性

GX志向型住宅は、高い断熱性能とエネルギー効率の良い設備を備えているため、光熱費の削減が期待できます。
特に、太陽光発電システムを導入することで、再生可能エネルギーを自家消費でき、電力購入費用を削減することが可能です。
さらに、高効率な給湯器や空調設備の導入により、エネルギー消費量を抑制し、月々の光熱費を軽減できます。
これらの効果により、長期的な経済的メリットが得られるでしょう。

・環境への配慮と健康的な暮らし

GX志向型住宅は、環境負荷の低減と住民の健康的な暮らしを両立させる設計が特徴です。
高い断熱性能により、冷暖房効率が向上し、効率的に室温が保たれ、CO₂排出量の削減に寄与します。
また、適切な換気システムの導入により、室内の空気質が改善され、アレルギーや呼吸器系の健康リスクを低減します。
これにより、快適で健康的な生活環境が提供され、住民の生活の質が向上します。

・将来的な資産価値の向上

GX志向型住宅は、省エネルギー性能や環境負荷の低減に優れた設計が施されており、今後の市場ニーズの高まりが予想されます。
特に、政府の環境政策の強化やカーボンニュートラル推進の流れを受け、環境性能の高い住宅は評価額が上昇しやすくなります。
また、エネルギーコストの削減や快適な住環境の提供といったメリットがあるため、将来的に売却する際にも高い需要が見込まれ、資産価値の維持・向上につながるでしょう。

■GX志向型住宅のデメリット

初期コストの高さや太陽光発電設備の必要性、立地条件の制約などが挙げられます。
これらのデメリットを理解し、長期的な視点で導入の可否を判断することが重要です。

・初期コストの高さ

GX志向型住宅は、高性能な断熱材や再生可能エネルギー設備の導入が求められるため、初期コストが高くなる傾向があります。
特に、太陽光パネルや蓄電システムの設置は多額の投資を必要とします。
しかし、これらの設備により光熱費の削減が期待でき、長期的には経済的メリットが得られる可能性があります。
また、最大160万円の補助金を活用することで、初期費用の負担を軽減することができます。

・太陽光発電の必要性

GX志向型住宅では、再生可能エネルギーの利用が推奨されており、特に太陽光発電システムの導入が一般的です。
しかし、太陽光パネルの設置には十分な日照条件や屋根のスペースが必要であり、立地条件によっては効果的な発電が難しい場合があります。
また、設置費用やメンテナンスコストも考慮する必要があります。
これらの点を踏まえ、専門家と相談しながら最適なエネルギーソリューションを選択することが重要です。

・住宅の立地条件による制約

GX志向型住宅の性能は、立地条件に大きく影響されます。
例えば、日当たりの悪い場所では太陽光発電の効率が低下し、十分なエネルギー供給が難しくなる可能性があります。
また、土砂災害特別警戒区域や災害危険区域などの特定の地域では、GX志向型住宅の対象とならない場合があります。
これらの制約を理解し、適切な立地選びと設計を行うことが、GX志向型住宅の効果を最大限に引き出すために重要です。

いかがでしょうか、よりよい住まいを手にするためにはたくさんの情報が必要です。
お住まい探しの際には専門家に相談ください。
リニュアル仲介、渡辺でした。

 

 

 

 

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